上手に利用する心理学



最近は不景気やらデフレやらで、賃金カット、リストラ、失業、転職、就職難、が頻発し、以前のように、同じ会社に数十年間、文句を言わず勤めていれさえずれば優雅な老後が送れる、などという甘い考えが通用しなくなってきました。
実力のある者が生き残り、実力のない者は追いやられる世の中に変わってきているのです。
「実力」といっても人によって考え方は色々で、私は「人間性」だと思っています。成功する人は15%が能力、85%が人間性だとする考え方です。
そこで私は、役に立ちそうな「考え方」をまとめることにしました。
自分で発見したこと、本を読んで感心したこと、実践してみたいこと、などです。
ただ、漠然と思っているだけでは、いずれ忘れてしまうようなことばかりなので、文章として記録し、ついでにでネットでも公開してしまいます。
これを見た人が、自分に役立てられそうなものを見つけられれば幸いです。
ただし、ここに書かれていることを実践しても効果がなかったり、逆効果になったとしても、当方は一切感知しませんので、御了承ください。
あくまで、自分の判断で行動して下さい。


諺・格言・名言


「金が無いから何も出来ないと言う人間は、金があっても何も出来ない」

小林一三


「十人が十人とも悪く言う奴は善人であろうはずがない。だが、十人が十人とも良く言う奴も、善人とは違う。真の善人とは、十人の内五人がけなし、五人が誉める人間である」

孔子


「機会が人を見捨てるよりも、人が機会を見捨てる方が多い」

フランスの諺


「不遇はナイフだ。歯をつかめば手を切るが、とってをつかめば役に立つ」

ジョン・メルヴィル


「何かをしたい者は手段を見つけ、何もしたくない者は言い訳を見つける」

プブリュス・シルス


「人間、一番嫌なことは、自分にうそをつくことだ」

M・A


「木を見て、森を見ず」

ヨーロッパの諺


「情けはひと(他人)のためならず」

日本の諺


「足りん足りんは、工夫が足りん」

戦時中の標語


「籠に乗る人、かつぐ人、そのまたわらじを作る人」

江戸時代の人?


法則


「80:20の法則」ヴィルフルド・パレート

「10項目ある仕事の課題で考えると、一番重要だと思う二つだけやれば、総価値の大半(80%)は達成できるという意味」


「リンゲルマンの法則」リンゲルマン

「ひとりで綱引きした場合を100%として、二人の場合は94%、百人では48%にまで低下することから、大人数になると責任感が分散するという法則」


「効率の法則」管理人

たくさん働いたからといって仕事を多くこなしているとは限りません。
例を上げてみましょう。
ある実験で、寝起きに簡単な計算の問題を数群の被験者にさせた場合、コーヒーを飲ませた場合と、そうでない場合で、回答率に差が出ました。
正解率は変わらないが、コーヒーを飲むと能率が上がったのです。
これは朝飯を食う食わないの場合にも言える事です。
ぼ~っとしているときとそうでないときでは、自分の中の時間感覚にズレが生じるからです。
さらに分かりやすい例を上げましょう。
私の場合、寝起きに聞くCDと、会社から帰った場合のCDとでは、曲のスピードがまったく違っていました。
仕事から帰った場合は「なんでこんなに遅いのか?」と思えるほど遅く感じるのです。
つまり、時間感覚が異なるので、同じ1秒間でも考えられる事柄の数が多くなるのです。
ペンティアムⅠ-100MHzでどんなに一生懸命8時間働いても、ペンティアムⅢの仕事量にはかなわないのです(ちょっと例に出したCPUが古いか……)。
しかし、これを仕事に置き換えて考えると、本人は一生懸命働いているのに仕事が遅いという具合になります。
毎日残業している諸君、君は半分の時間で出来る仕事を、それとは気づかずにこなしているかも知れないのですよ。
いや、反論があるのは分かっていますよ。自分は一生懸命やっていると言いたいのでしょう?
しかし、人間の集中力は2~3時間/日がやっとです。
毎日10時間も集中できるはずがないではないですか?
もちろん、例外はあります。「絶対的集中力の法則」の項を参照されたい。
それはさておき、考えても見てください、
高速道路で時速100Kmの車の運転を連続8時間も出来ますか?
お昼に1時間の休憩と10時と3時にトイレ休憩だけで、それが出来ますか?
ああ、出来ますか……そうですか?
では、それを月曜日~金曜日までやって下さい。会社で働いているのと同じです。
土曜日と日曜日は休みでいいですが、来週からずっとやってください。
おっと、忘れていました。
来週からは2時間残業で10時間運転ね。土曜日も出勤お願いね。
本当に出来ますか?

まあ、出来るといい張る人もいるでしょうが、少なくても私は無理です。
だから集中力と効率を上げて対処しています。


「絶対的集中力の法則」管理人

「火事場のくそ力」のことです。
例を上げよう。
バーベルカールをしているとしましょう。
10回やって限界に達したとする。もう挙がらない……。
しかし、その瞬間、君の頭に銃口が突き付けられ、こう言われたとする
「あと一回挙げろ、さむなくば殺す!」。
おそらく君は限界だと思っていても、1回どころか2回以上挙がるでしょう。
これが「絶対集中力」です。
しかし、こんなものはそうできる物ではありません。
それこそ命がかかっている場合や火事でもないと、無理です。

一回きりの集中力なら、出せるだろうけと、疲労は相当なものだし、苦しいものです。
ただ、これを限定的に使えるようになるともの凄く便利です。


相手に「うん」といわせるテクニック


「あなたに、お願いする」

依頼をするときは「誰か?」ではなく、「あなた」と限定して依頼する。


「軽いお願いから」

単純なお願いをしてから、本題のお願いをすると承諾されやすい。「アンケートに答えてもらってから、喫茶店に誘い込んで、化粧品を売りつける」等。


「体に触れる」

お願いを切り出すときに、相手の体に触れると効果がある。話すだけよりも握手した方が、印象が良い。


「電話で説得」

会って、何回も説得していても平行線をたどるときは、電話で説得すると効果的。


「じっくり話したかった」

客が多くて、相手を待たせてしまったときは、「あなたとは最後にじっくり話したかった」と言えば、効果は高い。「とことん話したかったので、調整に時間がかかってしまった」なども使える。


人間関係に役立つ言葉


「ありがとう」

仕事上では特にこの言葉は出しにくいものだ。出来て当たり前の世界では「ありがとう」は必要ないと考えるからだ。OLに、好きな上司と、嫌いな上司の違いを聞いたところ、些細な仕事(コピー等)でも、完了後に「ありがとう」と言ってくれる上司は好感が持てるということが分かっている。


「君ならできる」

人は責任のある仕事を任せられるとプレッシャーを感じる。「自分に出来るのだろうか?」「失敗したらどうしよう」と不安を感じる。そこで、他人に仕事を任せるときは「君ならできる」と、最後に一言付け加える。そうすると、「自分ならできる」と考えるようになり、「期待されている」と感じるようにため、大きな成果が現れる。


知っているつもりで知らない言葉


「経験」

「私には経験がある」。よく聞く台詞です。
では、経験とは何か?
「自らの体験をもとに、導き出した真実」です。つまり、同じ過ちを繰り返している場合、経験とは言えなのです。
間違った結論を出しても、それは経験とはなりません。大概の場合、「体験」を「経験」として語っているにすぎないわけです。
ここでひとつ例をあげましょう。
・Aさん
 毎年、キャンプ場にキャンプに行く。キャリア10年である。
・Bさん
 キャンプ経験なし。無人島で生き抜いた男の手記を座右の銘にしている。

さあ、ここで問題です。突然、無人島に放り込まれて、生き残る確率が高いのはどっちか?
当然、Bさんです。
Bさんは手記を読み、無人島で生きるための知恵を手に入れています。実際には体験していなくても、自分の中で真実の知識として持っています。
しかし、Aさんはキャンプを体験したに過ぎない。たしかに、設備の整ったキャンプでも、いろいろと起こる問題を体験し、解決し、経験としているかもしれませんが、キャンプ場でのキャンプにしか役立てない知識でしょう。それでも、「俺はキャンプ10年の経験がある」と豪語できます。
この例は極端ではありますが、大なり小なり、実際の人生でも多いのではないでしょうか?
たとえば、今のコンピュータ業界で10年先輩の人間と意見でぶつかったとします。
先輩はこの10年、新しい知識を十分に身に付けていない。しかし、「経験は私の方が倍もある」と、言い張るわけです。(実は管理人は、これで、ほとほと困りました……)
実際に体験することは重要です。
しかし、本や人から情報を抜き出し、真実を手に入れれば、さらに大きな経験となります。

実際に、あなたがラクダに乗ったことはなくても、馬に乗ったことがあり、動物園で身近にラクダを見たことがあれば、ラクダに乗ったらどんな感じなのか、想像がつくはずです。
違った経験と経験を組み合わせて、別の経験を擬似的にすることで人間は、毎日を送っているのです。
知識を増やそう、しかし、頭でっかちになってはいけない。体験もたくさんすべきです。


「ケチ」

大抵はお金に関して、出し惜しみする人のことを言うのですが、人に向かって「ケチ」という人は、ケチな人間であると言えます。
当然、ケチな人間が、他人にケチと言ってよい道理がない。
つまり「ケチ」とは、存在理由の無い言葉ではないでしょうか。
しかし、単語としては浸透した言葉なので、使いやすいこともあります。



参考文献


「チーズはどこへ消えた?」   スペンサー・ジョンソン
☆☆☆


 米軍や企業での教科書ともなっている。内容は分かりやすいが、薄っぺらに感じた。本編の前後にあるクラスメイト達の会話が、この物語を絶賛しすぎるので、かえって冷めてしまうのは私だけであろうか? 予備知識もなく、いきなり読めば役に立つとは思うが、「運をつかめる人、つかめない人」を読んだ方がもっと役に立つと思う。欧米人との感覚の違いなのか、なんなのか? 私の場合、「運をつかめる人~」を読んだ直後に読んでしまったために、特に新鮮味はなかった。

「運をつかめる人、つかめない人」樺旦純
☆☆☆☆☆


 誠にすばらしい本である。自分を「見つめ直す」にはもってこいの本である。「カーネギー名言集」からの引用も多い。

「嘘が見ぬける人、見ぬけない人」樺旦純
☆☆☆


詐欺師の技が数々と紹介されている。騙されないようにと、いうよりも騙し方が書いてあるといった感じ。

「幸福になる考え方」      田中真澄
☆☆☆


 非常に分かりやすい。自分を「見つめ直す」系の本である。

「心をつかむ心理学」      渋谷昌三
☆☆


 相手の心を読むための本で、自分を見つめ直す本とは対照的な本となる。相手の説得の仕方など。自分がどう見られているかも分かる。巻末に心理テストが用意されている。

「カーネギー名言集」      ドロシー・カーネギー


 格言じみたものは少なく、やや独舌ぽいものが多い。日本人には向かないのだろうか? 素直に納得できる言葉は少ない。簡素に人の深層心理にズバッっと食い込む「名言」を期待したが、そういう類の本ではなかった。

「いい話のおすそわけ」     太田典生
☆☆


 1ページずつ話が独立しているので読みやすい。毎日少しずつ読むのもよいでしょう。

「強いリーダーの条件」     櫻木健古
☆☆


 猿の群のボスなどもからめて、リーダーの理想像とは何かを掘り下げた著書。著者は、異常なまでの女性批判を本書の中で行っているが、本人も明言しているとおり、女性がこの本を読むことは考えにくいので、大丈夫でしょう。女性は絶対に読んではいけない本だと思う。

「自分を見つめる心理学」    加藤諦三
☆☆☆


 自己中心的な考え方、甘えについての記述部分がほとんどである。かなり偏っているものの、実例が頻繁に上げてあって分かりやすい。「ああ、そういえば」と思うことがあれば、まさに自分を見つめるのに役立つ本となろう。ナルシシストについての記述も多い。

「人を動かす心理学」      加藤諦三




「成功と失敗を分ける心理学」  加藤諦三




「心理トリック」        斉藤勇




「雑学 心理学」        木村政男
☆☆


 主に心理学における実験結果を紹介している。心理学とは何か? というのは分かりやすいが、あまり役に立つ本ではないかもしれない。まず読んでみて、興味が湧いたら別の本を読むといいだろう。