国内のお勧め本

私は年間百冊を目指して本を読んでいます。なので読んでいる本の数も膨大になります。
その中で特によかったもの(★5つ以上、一部4つ)だけをあげるので参考にしてください。
もちろん、全体からいえば、ごくごく一部だけの紹介です。
ここ数年は記録をとっていなかったので、今回あげるものは少々古いかもしれません。
折を見て追加するつもりです。ジャンルは非限定の乱読なのでそのつもりでお願いします。
既に絶版となったり、入手困難なものは、古本屋か図書館で探してみてください。

「さいえんす?」 角川文庫
★★★★★


東野圭吾のエッセイ、¥400。久々に、出てすぐ買った本です。 注目していた直後に直木賞を取っています。この本はお手ごろ価格&面白いので、売れるでしょう。

「家族同時多発介護」鈴木輝一郎 単行本 河出書房新社 
★★★★★


これは面白い。物凄いの連発。鈴木輝一郎氏のHPや別著を見ていると更に面白く読めます。

「スターウォーズ エピソード1 キャラクター&クリーチャー」 小学館
★★★★★


本体価格¥3000です。でかくてページが少ないフルカラー。
でもコレを読むと再びスターウォーズ本編が観たくなる。

「スターウォーズ エピソード2 キャラクター&クリーチャー」 
★★★★★


本体価格¥3000です。ハマります。

「スターウォーズ エピソード3 キャラクター&クリーチャー」小学館 
★★★★★


本体価格¥3000です。写真がふんだんです。
文章は少ないですがサイドストーリーは充実。ちょい役のキャラに命を吹き込んでくれています。
これを読んでから映画を見れば楽しさ倍増ですね。

「信長」新潮文庫 
★★★★★


信長に対し、変わった視点で書かれている本。
信長の思考ルーチン。今川と桶狭間。甲斐武田の本来の姿。
本来冷静沈着なはずの家康の三方ヶ原での惨敗など。全てが納得出来るように解説されている。
外国の文献を引用し過ぎではあるが、さほど読みがたくはないです。

「ヒートアイランド」文春文庫 
★★★★★


私の嫌いなピカレスクものですが、上手い。やっぱり垣根は上手い。
流石は賞をとりまくり。続きが読みたくなります。
「この文庫がすごい」でも人気の御様子。

「甲賀忍法帖」 角川文庫
★★★★★


荒唐無稽だが面白い。でも、時代小説でメートルはないだろう?

「AΩ」 角川ホラー文庫
★★★★★


日本SF大賞候補作。「ガ」が玩具修理者ってのはちょっと……。
それにまるでウルトラマンな声もまた。「文学賞メッタ斬り」で知ったが、選評がボロボロなのは読んで納得。
しかし、純粋に面白い。SFなんだけど、SFを感じさせない。

「そのケータイはXXで」宝島 
★★★★★


第一回このミス、隠しだま。受賞できなかったが、編集者が出版したかった理由が分かった。
面白い。読み出すと止まらない。エンタメ性高し。でもそれだけ。
主人公を二人にして、描くのは○だが、文章は唐突で、ストーリーは脈絡がない。
うまいとはいえないし、最初は読んでいて苦痛だった。後から追加したと思しき場所が散見された。
映画にもなるし、続編も出た。

「超・殺人事件」新潮文庫 
★★★★★


これも東野圭吾。
笑える。このミス5位に入っていたのですね。明けて1月に直木賞。21年の作家生活、6回目の候補とか。
でもコレを読むと、なかなか直木賞が取れなかった理由が分かる気がする。

「13階段」 講談社文庫
★★★★★


江戸川乱歩賞作品。心振るわせる展開だ。
ちょっと最後の辺りが失速気味に感じた。僅か二ヶ月で書いたとは思えないほどの取材力。
もっとも脚本家なので資料は前もって集めていたようですが。

「テロリストのパラソル」 講談文庫
★★★★★


乱歩賞と直木賞のWゲットのベストセラー。上手い。
本来は推協賞をもらえるレベルだが、乱歩賞とってちゃもらえない。ハードボイルドっぽいが、はたして?
久々に読んでジ~ンときた作品。藤原伊織さんの御冥福を祈ります。

「愚か者死すべし」 ハヤカワ文庫
★★★★★


原りょう。やっぱりうまい。できればもっとたくさん書いて欲しい。
でもレベルが下がるんだったらダメ。

「私が殺した少女」 ハヤカワ文庫
★★★★★


原りょう。うまい。内容がアメリカンだなあ。チャンドラーばり。

「天使たちの探偵」 早川文庫
★★★★★


原りょう。久々のハードボイルド短編集。
いかにもチャンドラー。上手い。
日本冒険作家協会短編優秀賞をとっているとか。終盤の2つの短編はイマイチだったが。

「そして夜は甦る」 ハヤカワ文庫
★★★★★


処女作で山本賞ノミネート。失踪人を探す、まさにハードボイルド。

「さらば長き眠り」      原寮
★★★★★


沢崎シリーズ第四弾。山本賞にノミネートされたデビュー作「そして夜は蘇る」、直木賞を取った「私が殺した少女」に続く長編第三弾でもあり、このミスでも上位だった。
最新作「愚か者死すべし」もこのミス上位で、寡作であるが出すものは全て高評価と言うのは凄い。しかし、レイモンド・チャンドラーばりに寡作なのは、わざとなのか? とも思えなくもない。
高品質の作品群のなかでも本作は、最高傑作と思う。
フィリップ・マーロウを思わせる沢崎の、ヤクザとのやり取りもあって笑わせる。
素晴らしいプロットであり、伏線も利いている。構想五年と言うだけあって素晴らしい。
渡辺が、なんだか分からないうちに死んじゃっていたのは驚き。

「大空のサムライ」      坂井三郎
★★★★★


日本海軍のエース、坂井三郎氏の自伝。
私はこれを読む前に「坂井三郎空戦記録」を読んだ。よくぞこれだけの記録を残していたものだ、と感心した。
内容はといえば、一気に吸い込まれ、あっという間に読んでしまうほど。
「大空のサムライ」は、これを補強して構成しなおした世界的ベストセラーで、非常に読みやすい。どうせ読むなら、こちらをお勧め。
かくいう私も戦記物は好きだが、ミリタリー自伝はちょっと……と思って躊躇していた。
だが、いざ読み出すと止まらない。現代のビジネスマンにもぜひ読んで欲しい、国民的一冊だと思う。
自分の命が掛かっている戦闘機搭乗員達の心構え、努力といったものは、現代を生きる我々には想像もつかないが、それでもその片鱗を感じることができさえすれば、人生は変わる。きっと変わる。
一度読んだら忘れられない、一生、心に残るであろう一冊だ。
坂井三郎氏のご冥福を祈ります。素晴らしい本をありがとう。

「本陣殺人事件」              横溝正史
★★★★


密室の殺人を扱った長編。後半は全て謎解きと説明である。
小道具が多すぎて、しかも機械的トリックなので私としては少々不満が残る作品。最後の言い訳がましい作者の解説も個人的に気にくわない。
しかし、純粋にミステリー色が強くて面白いのは確か。

「車井戸はなぜ斬る」            横溝正史
★★★★


上記「本陣殺人事件」とともに掲載されていた中編。手紙形式でストーリーが進んでいく。ここでも、人の入れ替えが語られているが、実際は代わっていなかったというオチである。
短いストーリーの中にこれだけの内容を詰め込んであるのは、なかなかである。

「黒猫亭事件」               横溝正史
★★★★


上記「本陣殺人事件」とともに掲載されていた、顔のない死体を扱った短編。
しかも一人二役の要素も絡んでいるので、読者は混乱しやすい。

「ベルリン飛行指令」            佐々木譲
★★★★


内容は現実味を欠き、明らかにフィクションではあるが、純粋に面白い。
開発されたばかりの零戦を、バトルオブブリテンで敗北を期したドイツが欲しがり、これに日本政府が応え、2機の零戦を空輸する。
当然、予想通りに輸送の過程で1機は失われるが、一人は生き残り、ドイツで最後までパイロットとして戦っている。
どちらかというと、ドイツでの物語のほうが面白そうだが、それは最後まで謎として扱われている。
小林源文の劇画「ハッピータイガー」も、本作に影響を受けていると思う。

「エトロフ緊急伝」            佐々木譲
★★★★★


山本賞受賞の力作。「ベルリン飛行指令」と同じ時代背景で、登場人物の関連もある。
日系人米国スパイがハワイ攻撃のため、単冠湾に終結した日本機動部隊の報告をするが、思わぬ展開が待っている。沢口靖子主演でドラマにもなった。

「ナポレオン狂」              阿刀田 高
★★★★


十三の短編集。「ナポレオン狂」は直木賞、「来訪者」は日本推理作家協会賞短編部門を受賞している。
物語は短編なので、奥行きがなく、さっぱりしているが、ちゃんとラストでギクッとさせてくれる。
なかなか、粒ぞろいで面白い。

「織田信長の生涯」       風巻絃一
★★★★


織田信長の生涯を、多角的にとらえた作品。信長という人物をとらえる上で、ひとつの見方がここにある。

「毛利元就99の謎」       森本繁
★★★★★


毛利元就の生き様について99項目で解説している。
NHK大河ドラマにもなった元就だが、意外に残酷で、したたかな部分が印象的である。
事実の部分(と思われる)のみの記述で、分かりやすい。

「軍師の研究」         百瀬明治
★★★★


題名通りの内容で、登場するのは鎌倉時代から江戸時代までの八人の軍師である。
心理学とはまったく関係ない本であるといえる。日本の歴史に興味を持ってしまう本である。

「戦国武将・人間関係学」    大和勇三
★★★★


信長、秀吉、家康、光秀などの武将の人間性と人間関係を現代の会社風にアレンジして浮き彫りにした一冊。
光秀の謀反は、決定的な理由が発見されていないが、これを読めばかなり納得出来ると思う。
著者はかなり家康が好きみたい。しかし、著者によって歴史の見方はがらりと変わる。
とにかく色々と読む必要があると痛感した。