シリーズ・トレーニング(胸)

シリーズ・トレーニング(胸)

シリーズ・トレーニング(胸)

先日、私のトレーニングをドキュメンタリータッチで書いた短編、「マッチョでしょ」が完成したばかりだが、とうに三〇の坂を過ぎ、ピークを越えたこともあって知識を保存したいと思う。第一弾は「胸」。
胸といえばフラットバーベルベンチプレス、通称ベンチプレスだ。ピーク時で一二〇キロ九レップ、今では百キロ六レップが限界だ。多くの人間がやたらと高重量でやりたがり、補助を着けたがるが、時間ばかりかけても一向にレベルアップは望めない。この種目は胸を広範囲に鍛えることが出来る種目で、第一種目に最適だ。肩甲骨を寄せてベンチに押しつけ、腕を大きく広げてバーを握る。私の場合、六から八レップがやりやすいが、十レップ出来なければ決して重量を上げなかった。充分にウォーミングアップすることを忘れずに。
ベンチプレスの亜種にはインクラインとデクラインが存在する。インクラインベンチプレスはベンチを四五度くらいにして行うわけだが、稼動範囲が大きく取れる上に大胸筋上部を中心として稼動させるため、使用重量が少なくなる。少ない重量でトレーニングできるので良い種目だと思う。ジムに装備がある場合は第一種目にするといいだろう。
ドリアンはインクラインを第一種目にしていた。一八〇キロで六レップをこなす。スミスマシンがあれば最良だろう。
一方デクラインベンチプレスは大胸筋下部に利く。私の通っていたジムには専用ベンチがなかったので、フラットベンチの足の下にプレートを置いてやっていた。かなり刺激があるが、ワイドグリップディップスが出来るのなら、やる必要はないと思う。フラットベンチに近い重量が使えるので、好みなら第一種目でもいいと思う。
フラット、インクライン、デクラインとも、当然ながらダンベルでも行える。ダンベルの場合は使用重量が減るし、スタートポジションを整えるのが難しいが、丁度いい重量さえあれば第一種目として使える。 プレス系の第一種目で胸筋をバーンさせたら、次はフライだ。フライはフラットかインクラインがメインでデクラインでやる必要はないと思う。重量が増えてきたら、肘への負担を軽減する為に若干曲げることをお勧めする。腕を伸ばしたままだとボトムポジションでかなり重く感じるし、トップで刺激が逃げてしまう。 ディップスは非常に有効な種目だ。ベルトや脚にダンベルを挟んで行うといいだろう。グリップは肩幅よりも広くとり、出来るだけ深く身体を下ろす。
フリーウェイトでやるならこの辺で充分だろう。これ以上の追い込みを行うにはマシンが必要になる。色々なマシンが存在するが、フリーウェイトの方が効果は高いと思う。それでもフリーウェイトでは不可能なエクササイズも存在する。そんな中でも、ケーブルクロスオーバーが特に有効だろう。
どの種目もウォーミングアップを充分行った後に、本番セットを三セット行うといいだろう。最終セットのレップ数が急激に少なくなりだしたら二セット、一セットと減らしていけばいい。最終的には一セット法を適用する。「一セットしか出来ない」と思うと、ものすごいパワーが発揮できる。初心者の頃はいざしらず、中級以上の人なら頻度は週一回で充分だと思う。
初稿 二〇〇八年三月一二日


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