NO118「ムエタイ戦士の練習」

人気シリーズ・トレーニングが終了し、さすがにネタがなくなってきたのでムエタイの話を書く。今回は一般的なムエタイ戦士の練習について。昔は一攫千金を目指す男児がムエタイを学んだものだが、最近は違ってきているらしい。女性と違って男はムエタイくらいしかアメリカン(シャム?)ドリームをかなえる方法はなかったのだが、タイも近代化で変わってきているようだ。
六時起床、飯を食わずに五〜十Kmランニング。ただし、ペースは遅い。ストレッチ十分後、縄跳び、シャドウ三R、ミット五〜八R、首相撲三十分、腹筋百回、腕立て伏せ百回。三分を1ラウンドとし、二分休憩。
十時に朝飯。正午からお昼寝。
十四時から、朝と同じトレーニング。
毎日合計八時間の練習である。しかも一日をふたつに分割して考えているようだ。月水金の午後はミットを減らし、スパ三Rやったりもする。日曜日は午後トレなし。首相撲が毎日一時間組み込まれているのはさすがにタイだ。
しかし、これはきつい。軍隊でもここまでキツくはない。走っている距離だけでも相当なもので、身体を痛めそうだ。これなら二十代半ばで引退するのも分かる。もっとも十歳くらいからリングに上がっているので、引退時に既に百五十戦以上経験者があたりまえだが。
ジム自体は壁無しで、リングがあって屋根がある程度。半屋外が一般的。あとは、バックがずらっとつるされているって感じ。高速道路の下、というのもあった。
寝泊まりする建物は木造で、二段ベッド、ハンモックがいくつかあり、TVがあり、便所があり。熱帯特有の裸生活で、フルチンの子供がうろうろしているような場所だ。 全体的にかなり汚いですが、飯もそこで食う。通常十人前後の選手が寝泊まりしているようだ。水道さえなく、水桶に溜まった水を飲んでいたりする。
ウェイトは、ほとんどの選手がやっていないようだが、ホームトレーニングマシーンが置いてあるジムもある。軽い鉄アレイを持ってシャドウしている姿も見受けられるが、腕立て伏せや腹筋、鉄アレイを紐に吊るして口でくわえて持ち上げるなどの補強以外はあまり見受けられない。地面に埋め込んだ鉄の棒にクッションをまきつけたモノをひたすら蹴り続けて、ひん曲がってしまっているモノにもよく出くわす。
最近のムエタイ選手には、強力な上半身を持ち、パンチでダウンを狙う者が見受けられるので、そういう選手は少なからずウェイトをやっていると思われる。
初稿 二〇〇八年三月二〇日


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