シリーズ・トレーニング(回復)

シリーズ・トレーニング(回復)

シリーズ・トレーニング(回復)

自らジムに足を向け、トレーニングをしている人は、少なからず筋肉をつけたいと望んでいるはずだ。女性でも、二の腕を細くして逆三角形の身体になれば、見栄えもぐっと良くなる。ただ痩せるにしても、筋肉の多い身体の方が有利だ。
筋肉をつけるためには、ジムで筋肉を破壊するだけでなく、休養して回復させる必要がある。例をあげてみると、掌を紙ヤスリで擦ると皮がむけるだろう。これを毎日繰り返せば皮がなくなり血が出てくる。しかし、一回擦ってから三日すると、多少皮が厚く回復しているはずだ。そこでまた擦ると再び回復し、いずれ掌はタコだらけになる。まさにこれが回復であり、回復のプロセスなのだ。
擦り減らす作業をトレーニング、分厚く盛り上がるのを回復と言い換えれば、そのまま筋肉にも当てはまる。充分な回復期間を経なければタコになるまえに血が出てしまう。つまりオーバートレーニングになってしまうのだ。
本を読むといい加減に書かれていて、七二時間というのが多いが、無視すべきだ。これは個人差があるので自分で見極めること。人により、また部位により、四日かもしれないし六日かもしれないのだ。これがばっちり一致すると、次回のレップで新記録間違いなし、となる。
回復は睡眠時間にも左右される。脳は八時間寝なくても稼動するが、身体はそうは行かない。私の経験から言えば八時間眠ったときを標準とすると、六時間のときは筋肉痛が凄まじかった。それにデッドリフトのときなどは全身が痛くて起き上がれなかったりする。できれば強烈な筋肉痛は少なめにしたい、と考えている人はトレーニング日はすぐ寝ること、そして充分な睡眠時間を確保すること。
回復といえばもうひとつは栄養。これは年齢、目的、強度などによって大きく変わる。身体を大きくしようとしている人はバンバン食わねばならない。二十代ならば強烈にトレーニングして、バクバク食べても太らずにいられるかもしれないが、次第にそれも苦しくなる。私も長い間、たんぱく質の摂取には気を配ってきたが、すでに三十代中ばになり、それも必要なくなった。
基本は、たんぱく質三五%、炭水化物五〇%、資質一五%を三から五回の食事に分割して取ればいい。摂取カロリーの計算は、ます体重が平行線となる基本カロリーを得ておく。大きくなるにはそれに五百カロリーを追加する。減量の場合は五百カロリー減らせばいい。あとは増減のペースにあわせて上下させる。
私も、三度の食事の他に、プロテインと牛乳、バナナを入れてジューサーで作ったドリンクを飲んでいた頃がある。体重は人生最大の八六キロだった。今は筋肉も減り、七八キロにまで下がってしまったが、使用重量は同じくらいだ。
筋肉痛にも慣れがあり、耐えられない痛みはほとんど起こらない。
初稿 二〇〇八年四月四日


エッセイTOP初心者が筋肉をつけるウエイトトレーニングTOP