▲初心者が筋肉をつけるウエイトトレーニングTOP

マッチョでしょ

第一章 「胸、肩、そして上腕三頭筋」1−5

「ふうっ……」  しばし、ベンチの上で深呼吸をする。視線は床に当てているが、視界の端でこちらを見て驚いている人間の姿が見えた。私はあえて彼らと視線を合わせず、立ち上がると鏡の前に向かった。思ったとおり、目は真っ赤に染まっている。高重量のベンチプレスを行うと、決まって目が真っ赤になる。目の前がくらくらすることも少なくない。胸や肩に手を当て、少し肩を回してみる。痛みはないようだ。怪我のないまま、なんとか最終レップを終えたらしい。 「ふうっ……」  新記録が出た。私は満足の笑みを浮かべ、鏡の中で笑みを浮かべる男にエールを送った。まだ終わりではない……もう一回息を吐き、ベンチに戻る。  外側の十五キロプレートを外し、九十キロに戻す。予備のレップを軽々と十レップをこなす。まるでおもちゃのように軽い。  セットを終えて、プレートを片付ける。これでバーベルベンチプレスは終わり。  まだ第一種目を終えたばかりだが、私はこの上なく満足だった。どの種目にかかわらず、新記録など年に数回しか出ることはない。私は疲れも忘れ、ベンチを後にした。  今の俺は、ゴジラに踏まれても死なない。そんな思いで全身が高揚している。  そのまま次の種目に移る。

マッチョでしょ【次ページ】 【前ページ】 【TOP】

▲初心者が筋肉をつけるウエイトトレーニングTOP