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マッチョでしょ

第二章 「背中及び上腕二頭筋」2−8

 やっと広背筋の種目も終わり、ひと仕事終えた心持ちだが、まだまだ辛い種目が残っている。ダンベルプルオーバーだ。ストレッチ感が極めて強力な種目だが、これをやっている人間を何故か見かけない。多分辛いからなのだろうが、不思議だ。かくいう私も一度ならず痛い目に合っているので、初心者にお勧め出来る種目ではないのは確かだ。  まず、ベンチとクロスさせるように仰向けになる。背中の部分だけベンチにあて、伸ばした腕の先にはダンベルがぶら下がっている格好にする。この状態でダンベルを上下させることにより、背中に強烈なストレッチ感を得る。この種目は「苦しい」という感想が一番合うようだ。「重い」よりも「苦しい」というのが、私の正直な感想だ。これを十五レップ行うと、目の前が霞む。  さらにプルオーバーは翌日にも影響を大きくのこす。胸郭全体がガーンと重く、疲れてしまうのだ。なんか、巨大なハンマーにでも叩かれたような、痛みと疲労をたっぷりと残してくれる。息が苦しくなるので、溜息も多くなりがちだ。

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