第三章 「脚とハムストリング、それにふくらはぎ」3−2
トレーニング開始から数年間、私は熱心にスクワットをやった。ボディビル雑誌を読み漁り、脚を鍛える種目としてスクワットが最高であることを知っていたからだ。脚のトレーニングといえばスクワット、と誰でも思いつくほどメジャーな種目だ。
世の中ではスクワットだけやっていれば他は何もしなくても脚は太くなると信じられており、まさにその具現者も多数存在する。スクワットをするとアナボリックホルモンの分泌量が増えるという研究結果もあり、まさにいいことづくめだ。
だが、いくら私がバーベルを担いで熱心にレップを繰り返しても、いっこうに使用重量が上昇していかない。重量が上がらないので脚も太くならない。すぐ、上半身と比べて成長がアンバランスになってしまう。苦しいだけで成果なし、無駄な努力だけの日々が過ぎていった。
薄々気づいてはいたのだが、どうやら私は脚が疲労する前に腰が疲れてしまう性質だったらしい。身体が硬いせいで、スクワットをするとグッドモーニング状態になってしまうからだ。ベルトをしても柔軟体操をしてもあまり変化はなく、思い通りの成果は上がらなかった。
数年後、同じような悩みを抱えていたあるボディビルダーの記事を読んだ。それを参考にして、私は脚のメイン種目をスクワットからレッグプレスに替えてみた。すると、すぐに成果が上がり始めた。コツを掴んでみると、レッグプレスの方が自分の体に合っているのがすぐに分かった。
それ以来ずっとレッグプレスを行っているので、今では滅多にスクワットは行わなくなった。ただ、補助種目としてのスクワットは大好きで、五十キロ程度の重量でワイドスタンススクワットやダンベルスクワット、フルスクワットなどを行うことがある。
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