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マッチョでしょ

第三章 「脚とハムストリング、それにふくらはぎ」3−4

 最終レップを終え、マシンから立ち上がると目の前はいきなりブラックアウト。真っ暗で何も見えなくなる。  次第に視力が戻ると、無数の星がチラついている。  血液が皆、脚に行っているので、立ち上がったときに頭に向かうのが遅れるようだ。まるで戦闘機乗りが高Gの曲芸飛行をしているときのようだが、ここは一気圧。単なる立ち眩みの強烈なやつでしかない。  呆然としながら息を整え、再びレッグプレスマシンのセッティングをする。カーフレイズをやるためだ。部位は違うが、同じレッグプレスマシンを使うので、連続でやってしまう。  今度は脚板のトップポジションを高くする。足を延ばした状態で行う種目だからだ。ふくらはぎのトレーニングをレッグプレスマシンで行う為、稼動域は極めて小さくなる。動く範囲が狭いので傍目には何をやっているのか分からないかもしれない。  レッグプレスマシンはピン式のプレートを使っているのだが、最大重量の二百五十キロにピンが刺さらない。どうやら錘を支えるバネが弱まっていて、穴とピンが噛み合わなくなっているようだ。仕方がないので二百四十キロに無理やりピンを刺し、二十キロプレートを脚板の上部に二枚乗せて重量を調整する。  プロビルダーのビデオなど、レッグプレスマシンにごてごてとプレートを載せている光景が写っているが、あれを上げるなど想像しただけで気が遠くなる。それでもプレートが足りないのか、更に人が乗っている光景すらあるのだから驚く。  もっとも、そういった高重量モノはパフォーマンスのみを重視しており、稼動域が狭いので、本来の筋力トレーニングには向かない。プロといえど、いつも一トンもある重量を上げているわけではないのだから。  二百八十キロの重量でカーフレイズを六十レップ、ウォーミングアップなし。ただし、ストレッチはたっぷりと行っておかないと足がつってしまう。ふくらはぎの筋肉が痛むのはもちろんだが、膝関節がぎしぎしいう。  ふくらはぎはパンパンになり、真ん中で縦に真っ二つに割れる。五角形に見えるので、いわゆるダイアモンドカーフといわれる。

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