アイソメトリックトレーニング

アイソメトリックトレーニング

アイソメトリックトレーニング、あまり聞きなれないかもしれませんが、数ある筋肉トレーニング法のひとつです。 アイソメトリックトレーニングだけでマッチョになった人というのもほとんどいないのですが、 アイソメトリックはどこでも出来ることから、海外の刑務所内で行っている例があります。 彼は確かにマッチョですが、アイソメトリックだけの効果と断言できるのかどうか。 少なくても、アイソメトリックに、効果があることだけは分かります。
アイソメトリックの具体的なトレーニング方法は、こちら



アイソメトリックトレーニングとは


ここでは、アイソメトリックトレーニングの利用方法、考え方について書いています。 アイソメトリックトレーニングの使い方、利用法です。 ただ、効果があるからといって闇雲に行うだけでは、アイソメトリックトレーニングを充分利用しきれません。 筋肉増強したいからベンチプレスしまくり~、では、ちょっとマッチョになっても、すぐに頭打ちになります。 ちゃんと理解しなければアイソメトリックトレーニングの効果も限定的になってしまうでしょう。
こんな実験がありました。(細かい内容は失念)
陸上の短距離走選手が対象です。
Aグループは、ひたすら走る練習
Bグループは、アイソメトリックトレーニングだけ
Cグループは、両方
結果として記録が一番良かったのは、Cグループです。
つまり、走って、アイソメトリックトレーニングも行ったCグループです。
アイソメトリックトレーニングは優れたトレーニング法ですが、それだけではダメなんですね。 ダメッていうか、アイソメトリックだけでは効果が最大でない。
この実験ではアイソメトリックトレーニングを対象にしていますが、 ウェイトトレーニングに置き換えても同じことがいえます。 結局、実際に走る技術的練習も必要なのはあたりまえで、筋トレするのも当たり前、 両方やるのがベスト、ということでしょう。 まあ、納得の結果です。
ただ、アイソメトリックトレーニングでは、ウエイトを使ったトレーニングと違い、 関節が動かない分、関節への負荷が軽減できます。 毎日走りまくっていると、膝や足首などの関節への負担も大きくなるので、むやみにウェイトトレーニングするよりも、 アイソメトリックトレーニングを取り入れる方がいいでしょう。



アイソメトリックトレーニングは関節に優しい

アイソメトリックトレーニングの利点は、関節が動かないこと。 つまり、関節に問題を抱えている選手は、アイソメトリックトレーニングを利用すべきってことです。 関節に何がしかの問題がある場合、ウェイトトレーニングでトレーニングを継続するには、 非常に軽い重量で限定的な動きで行うしか方法がありません。 場合によっては痛みがひどくて、全くトレーニングできないという場合もあるでしょう。
例えばスクワット。 上でのアイソメトリックトレーニングの実験では、腰を落としたくらい。 膝の角度が90度くらいになるように調整した器具を使います。 つまり、長さ1mくらいの鉄の棒が2本あり、棒の端と端を鎖でつなぎます。 イメージとしては、ヌンチャクのもう一方も鎖でつなげて、輪っかにしたもの。 ヘリから吊るされてる、縄(鎖)梯子の一部みたいなやつです。 形は真四角。二辺は棒、二辺は鎖。
その鎖の長さが、だいたい120cmくらいだと思ってください。 人間がちょっと屈伸したくらいですね。もちろん調整可能。
その一方の棒を両足で踏み、もう一方の棒を肩に担ぎます。 すると、自分の左右に鎖がある状態で、スクワット開始の態勢になります。 そこで、20秒間、全力で足を踏ん張れば、立派なアイソメトリックトレーニングです。 鎖がちぎれない限り、動きはありません。 なんか、肩が痛そうですが、論理的にはバーベル担いでいるときと同じはず。 アイソメトリックトレーニングなので、大腿四頭筋には負荷がかかりまずが、膝関節や股関節は全く動きません。
アイソメトリックトレーニングはもともと限定的な動き(実際は動きなし)なので、思いっきり行えます。 実際に、私は肩を故障しているので、肩はアイソメトリックトレーニングで鍛えています。
ただ、関節が動かないアイソメトリックトレーニングでは、逆に言えば関節のトレーニングが不十分と言うことです。 例え、アイソメトリックトレーニングだけでマッチョになっても、ベンチプレスをしたら関節を故障するかもしれません。 確認したわけではありませんし、する気もないのですが、それが真実ではないでしょうか。
スプリンターなどで走る人は、練習で関節を酷使しているので、ウエイトトレーニングで関節に負担をかけるよりも、 アイソメトリックトレーニングでマイルドに筋肉を鍛えましょう、というのは理屈に合います。 例えば、部屋でアイソメトリックトレーニングだけをバリバリにやっている人が、いきなり野球などをしたら、恐らく肩を痛めます。 アイソメトリックトレーニングは、競技練習との組み合わせがベストでしょう。 もちろん、他の筋トレと併用するのも効果的です。 別にマッチョになるのが目的でアイソメトリックトレーニングをやっても、全然いいのですが。



アイソメトリックトレーニングの利用方法

スポーツ選手。もちろん、プロレベルではないです。 普通に走っているジョガーで、年に一度くらいフルマラソンに出るようなレベルなら、 アイソメトリックトレーニングは強い味方になります。
無理にウエイトトレーニングをするよりも、アイソメトリックトレーニングなら関節に優しいからです。 毎日、さんざん走っているのに、さらに関節に負担をかけるのは愚の骨頂です。 関節を故障してしまったら、しばらく走れなくなってしまいます。 へたすれば、一生走れない。。。
記録を伸ばしたいと真面目に考えているジョガーならアイソメトリックトレーニングを選択するはずです。 それが賢い選択です。 どちらにしろ、バリバリに高重量でウェイトトレーニングをするジョガーは少ないと思いますが、 高レップの筋トレや、チュープトレーニングなど、色々と方法はあります。 もちろん、アイソメトリックトレーニングもそのひとつです。 筋肉トレーニングなしのランニングのみを選択する人もいますが、筋トレはやって損はないです。
それともうひとつ、筋肉をつけたいが、時間も金もない人。 または、時間とお金を極力使いたくない人。 なおかつ、ホワイトカラーなら、アイソメトリックトレーニングは最強のツールになりえます。
なぜ、アイソメトリックトレーニングが最強のツールなのか? どういうことかというと、 例えば机の前、つまりパソコンの前でアイソメトリックトレーニングをすればいいのですから。 左右の爪先をひっかけて、脚を横や縦にひっぱれば、それだけで立派なアイソメトリックトレーニングです。 腕も同じです。両手で拝み、押したり引いたりもアイソメトリックトレーニング。 仕事中にアイソメトリックトレーニングをすれば眠気も飛ぶし、いいですね。
また、通勤時に吊革につかまった片手で全力でぶら下がる、というのもアイソメトリックトレーニング。 体が浮いちゃ、だめですよ。 そんな怪力の人は少ないハズですけど。 吊革にぶら下がるイメージで、つかまっていればアイソメトリックトレーニングです。
車内の棒を押したり引いたりしてもアイソメトリックトレーニングが出来ますね。 右手で押して、左手で引くという事です。 見た目は、棒につかまった、ただのおっさんです。 揺れにも強いです。 動きは全くないのですから、目立ちません。 でも、アイソメトリックトレーニングによって、筋肉はガチガチに硬直しています。 マッチョがやっちゃうと、血管が浮き出て、筋肉が膨張してしまいますが。



アイソメトリックを使ったトレーニング法

アイソメトリックトレーニングは、動かないトレーニングだと述べましたが、動かすトレーニング法もあります。 たとえば、合掌といって、胸の前で拝むように両手を合わせ、押し合うアイソメトリック種目がありますが、 力を入れながら、左右や、上下にちょっと動かすと、刺激が増幅します。 使っている筋肉の場所が少し変わるので、意識的にも変わります。
また、片腕を上向き、もう片方を下向きで力を入れるアイソメトリック種目で、上腕二頭筋、上腕三頭筋を鍛えられますが、 その際、ダンベルカールのように、腕を上下に動かすと、刺激が増幅されます。 パンプアップもします。
ダンベルでのカールの場合、トップポジション、ボトムポジションで、刺激が逃げてしまいますが、 アイソメトリックで行う場合、刺激が継続します。継続するようにやれば、ですが。 強力なゴムでのチューブトレーニングと同じですね。 こういったアイソメトリックトレーニング特有の利点があります。
ただし、動かすので、アイソメトリックの利点である、関節に負荷を与えない、というところからは外れてしまいますが、 フリーウェイトとは、また違った刺激が与えられますので、こういったアイソメトリックトレーニングもおすすめです。 関節に痛みがある人は、痛くない部分で動かしましょう。 しかも、刺激が強く、やりようによってはパンプが多く得られます。 アイソメトリックトレーニングは、仕事中の気分転換にもいいのです。



アイソメトリックトレーニングで追い込む

筋肉トレーニングにはさまざまな種類があります。 一般的には、ジムでウェイトを使ったトレーニングがメインとなりますが、 ダンベルやマシンなど、そのバリエーションは多岐に及びます。
私は公園でのストレートワークアウトをメインとしていますが、 アイソメトリックトレーニングを補助として行っています。 具体的なアイソメトリックトレーニングの利用法は、主に仕事中の腕と肩です。 動きがないので体操と違って、アイソメトリックトレーニングをしていても、まわりから目立ちません。
ストリートワークアウトでは、肩と上腕二頭筋の種目が少ないので、アイソメトリックトレーニングで補強しています。 眠い時、寒いとき等にも、アイソメトリックトレーニングは効果を発揮しますので、おすすめです。 いつでもどこでもできます。
割合は少ないですが、アイソメトリックトレーニングをトレーニングのメインに持ってきている人もいます。 それは、どういう人かというと、海外の囚人達です。 懸垂や腕立て伏せをする米国囚人の光景は、よく見ますが、私の見た記事では、 英国の囚人がアイソメトリックトレーニングを毎日繰り返し、マッチョになっていました。 しかも、かなりのマッチョです。
刑務所では、あまりすることがないし、暇つぶしにアイソメトリックトレーニングはいいかもしれませんね。 場所が場所ですので、自身が強くならないと何をされるかわからない、というのもあります。 動きはないので目立たないし、時間はたっぷりある。 アイソメトリックトレーニングでも、毎日やり続ければマッチョになれるという事です。



アイソメトリックとワンパンマントレーニング

メジャーではありませんが、筋トレにワンパンマントレーニングというのがあります。 プッシュアップ、腹筋、スクワット、それぞれ100レップ、および10km走るというもの。 ちゃんと3食とるというルールもありますが、これを毎日行います。 かなりシンプルですが、効果はてきめんです。
どちらかというとワンパンマントレーニングはダイエット向きです。 これをやれば、1ヶ月だけで10kg以上痩せる人も多いことでしょう。 逆に、筋トレが軽いので、バリバリのマッチョにはならないでしょう。 回数はともかく、種目が少なすぎます。
つまり、ワンパンマントレーニングの本当の問題点は細かい種目がない事です。 なんたって、3種目だけですから。 これに懸垂又は斜め懸垂、背筋、カーフレイズなどを順次入れていけば、かなりバランスはとれます。
そして、ワンパンマントレーニングに、アイソメトリックトレーニングを組込めば、完璧です。 公園や部屋、オフィスでアイソメトリックトレーニングをすれば、多角的に筋トレを補完出来ます。 ワンパンマントレーニングだけならまだしも、アイソメトリックトレーニングだけ、というのはちょっと不安ですから。 もちろん、ちゃんとやればアイソメトリックトレーニングだけでもマッチョになりますよ。
ただ、アイソメトリックトレーニングは動きなないので、帰宅部と間違われます(笑)。 とにかく、ワンパンマントレーニングの日と、アイソメトリックトレーニングの日を交互にするとか、 同じ日に両方やってもいいです。 会社でアイソメトリックトレーニングをやり、帰宅してワンパンマントレーニングなど、 工夫次第でいろいろできます。
一見、相性が悪そうにも見えるふたつの筋トレですが、だからこそ体には効果が高いのです。 アイソメトリックトレーニングを生活に組み込んで、運動不足と退屈から解放されましょう。 もちろん無料です。



アイソメトリックと体温

アイソメトリックトレーニングに限らず筋トレをすると、体温が上がります。 これを利用して、冬場の寒い時期にやれば、身体を温めることができます。 実際に凄く寒いときなどは、無意識に全身に力を入れますよね。 これは厳密にはアイソメトリックではなく、筋肉に力を入れているだけですが。
寒さでこわばった筋肉に、いきなり力を入れても、違和感を感じたことはないです。 なので、アイソメトリックで筋断裂にはならないのかもしれませんが、 徐々に力を入れるように工夫してください。 全く温まっていない筋肉を酷使するのは、自殺行為です。
アイソメトリックトレーニングはどこでも出来てしまうし、動きもないので、電車の中でも出来ちゃいます。 誰も気づかないうちに、です。 なので、いきなり怪我でもしたら、驚愕されちゃいます。 怪我まで行かなくても、「脚ツッた~」くらいは起こるかもしれません。
本来はランニングやストレッチ、筋トレの後に、アイソメトリックトレーニングを行った方がいいと思います。 そして、アイソメトリック後に、ストレッチを行うといいでしょう。 筋肉マッサージやお風呂で温めるのもいいでしょう。



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