トレーニングテクニック

いろいろあるトレーニングテクニック

トレーニングテクニックとは、日々のエクササイズで活用できる、有効な方法(テクニック)のことです。 より高い効果を発揮したい、プラトーを打破したいとき等に有用です。
各トレーニングテクニックが、別のネーミングで呼ばれている場合もあるとは思いますが、まあ、だいたいこれで通じるでしょう。
ここで解説しているトレーニングテクニックは、すべて私がやってきた感想なので、 向き不向きは自分で実際に試してから決めてください。それがベスト。
トレーニングテクニックをマスターすれば、あなたもテクニシャンです。

各トレーニングテクニックについて、以下のようにランク付けを行っておりますので、参考にしてください。
難易度:★(簡単)~★★★★★(難しい)まで
効果 :★(ちょっと)~★★★★★(高い)まで


ネガティブレップトレーニング

難易度:★★★★
効果 :★★★★★

限界を目指すという意味では、もっとも厳しいトレーニングテクニックです。 ポジティブ、ネガティブという言葉を最近よく耳にしますが、前向きなポジティブに対し、後ろ向きなネガティブはマイナスイメージがつきまといます。
ただし、ウエイトトレーニングの世界でネガティブといえば、苦しみの塊としての印象が強くなるトレーニングテクニックです。
ベンチプレスを例にとると、腕を伸ばした状態、つまり肘をロックした状態だと、かなりの高重量を持てるはずです。持ち上げることの出来ない重量でも、ゆっくり下げることは出来ます。
これが後ろ向きの動作、つまりネガティブなわけです。
ネガティブレップトレーニングを、日々のトレーニングでどうやって使うかというと、普通に限界までレップをこなしたあと、補助者にバーベルを持ち上げてもらいます。フォースドレップのように中途半端に補助してもらうのではなく、補助者に全部持ち上げてもらいます。
トップポジションから、「潰れても助けてくれる」のを前提に、我慢しながらベーベルを下げていけば、いいわけです。

ネガティブレップトレーニング

高レップトレーニング

難易度:★
効果 :★★

軽い重量で高レップ(回数)行うトレーニングテクニックです。 だいたい15レップ以上なら高レップと呼べますが、25レップ以上だと思ってください。 「ダンベルカールを5キロで30回やる」といったものが代表的な高レップトレーニングでしょう。
ただ闇雲に高回数やれば良いのではなく、トレーニングの最後にやると効果的なトレーニングテクニックです。 例えば腕のトレーニングの最後に、5キロで30レップ、カールする、といった具合。
高レップトレーニングを行うと、対象の筋肉に大量の血液が流れ込んでパンプアップします。 いわゆる「筋肉パンパン」というやつです。筋肉に栄養を送り込むのは血液であり、 その血液が大量に流れ込むということは、筋肉の成長を促すということにもなります。
高レップトレーニングは、チューブトレーニングに最適な方法ではありますが、アイソメトリックトレーニングには使えないトレーニングテクニックです。

高レップトレーニングでカーフを追い込め

スーパーセット

難易度:★★
効果 :★★★

拮抗筋を交互に鍛えるトレーニングテクニックです。 拮抗筋とは反対の動作を行なう筋肉同士のことで、例を挙げると「上腕二頭筋と三頭筋」、「大胸筋と広背筋」、「大腿四頭筋とハムストリング」といったところです。
それぞれトレーニング種目で例を挙げれば「バーベルカールとライイングトレイセップス」「ベンチプレスとダンベルロウ」「スクワットとステッフレッグドデッドリフト」となります。 アイディア次第でバリエーションが豊富なトレーニングテクニックです。
腕の場合、肘を曲げるときに上腕二頭筋が収縮します。逆に延ばすときは上腕三頭筋が収縮しています。双方、逆の動きをする上腕の筋肉なので「上腕」という括りで捕らえ、同時にトレーニングする考え方です。
具体的にいうと、バーベルカールを12レップやったら、休まずにライイングトレイセップスを12レップやります。連続で2セット行なうので、上腕を集中的に鍛えることができるのですが、あまり高重量はお勧めできません。どちらかというと、高レップ気味にしてパンプアップを狙うのに適したトレーニングテクニックです。
スーパーセットで腕を鍛えろ

コンパウンドセット

難易度:★★
効果 :★★★

高強度のトレーニングテクニックです。
トレーニング種目には、多くの筋肉を動員する複合種目と、ひとつの筋肉を集中して鍛える単体種目とが存在します。 前者の代表格はベンチプレス、ベントオーバーロウ、デッドリフト、スクワットなどで、どれも高重量を扱えます。
後者にはダンベルフライ、バーベルカール、レッグエクステンションなどが存在します。
コンパウンドセットは、この複合種目と単体種目からひとつずつ選んで組み合わせるというトレーニングテクニックです。 ただし、スーパーセットと違って拮抗筋同志を選ぶのではなく、同じ筋肉を選びます
例えば胸は、ベンチプレスで10レップ終了後、ダンベルフライを10レップ行なう。 脚の場合ならば、スクワットで10レップ終了後、レッグエクステンションを10レップ行なう、といった方法です。
コンパウンドセットで肩を鍛えろ

予備疲労法

難易度:★★
効果 :★★★★

高強度のトレーニングテクニックです。
複合種目と単体種目の組み合わせで行なうので、コンパウンドセットに似ていますが、考え方は正反対です。
脚でいうと、レッグエクステンションを10レップ3セット行い、それからスクワットを10レップ3セット行なうというトレーニングテクニックです。 レッグエクステンション1セット、スクワット1セット、と連続で行なうわけではありませんので気をつけてください。
「この方法の利点は何か」というと、スクワットで高重量を使わなくても追い込める点にあります。
レッグエクステンションは単体種目なので大腿四頭筋が疲労し、その後に複合種目のスクワットで脚全体が鍛えられるので、他の筋肉よりも先に大腿四頭筋が悲鳴を上げます。
他の筋肉が助けてくれるので、大腿四頭筋がビリビリいいながらもレップが完遂できてしまうので「利く」のです。
また、スクワットをすると体が硬いので腰が痛い、という場合に予備疲労法を使うと、腰よりも脚を先に限界に持っていくことが出来ます。

ディセンディングセット

難易度:★★
効果 :★★★★

高強度のトレーニングテクニックで、非常に利きます。
やり方はいたって簡単で、同じ種目3セット以上を連続で行ないます。
例えば、ラットプルを80キロで10レップ、60キロで10レップ、45キロで10レップ、といったように連続で行ないます。 セット毎の使用重量は20~30%減らすのが一般的です。
非常に分かりやすく簡単なトレーニングテクニックですが、凄まじい筋肉痛を伴いますし、精神的にも疲労します。とても毎回使えるトレーニングテクニックではありません。
スタック式のマシンに向いたトレーニングテクニックですが、重量違いのダンベルがあればそれでもOKです。
またA・シュワルツネッガーのように、プレートを何枚も装着したバーでカールをして、限界が来たらプレートを外していく、という方法でも構いません(キツイので、お勧めはしませんが……)。

ディセンディングセットで背中を鍛えろ

チーティング

難易度:★★
効果 :★★★★

高強度のトレーニングテクニックで、気づくと誰でもやっている「反動」のことです。
ジムなどで、バーベルカールやダンベルカールで身体をゆすっている人を見かけると思いますが、 これがチーティングの原型です。
反動を使うとウェイトを挙げやすくなります。どんな種目でもストリクトで行なわなければなりませんが、重量が増すとそうもいきません。というのも、例えばバーベルカールで限界までくると、大概は腕が肘で直角の位置で止まると思います。 逆に言えば、ここでちょっと誰かにバーベルを下から押してもらえれば突破できてしまうわけです。その方法はフォーズドレップという別のテクニックが存在しますが、これは他の人の助力が必要です。
誰にも助けてもらわずひとりでカースしているとき、チーティングが役に立ちます。 バーベルがレップの中間で止まったら、そこで始めて最低限の反動を与え、スティッキングポイントを突破します。その後は普通の動作で行ないます。
このように、チーティングとはスティッキングポイントでのみ、ちょこっと使うものであり、のべつ使うものではありませんので気をつけてください。
複合種目よりも単体種目向きなトレーニングテクニックで、特にカール系に向いています。

バーベルカールのムービー

フォースドレップ法

難易度:★★★
効果 :★★★★

補助者がいないと出来ないトレーニングテクニックです。
正確にいうと補助とはちょっと違うのですが、トレーニングパートナーがいればベストです。 数多くの種目に使えますので、使えるのならばバンバン使いましょう。 ただし、気心の知れた人、分かっている人でないと失敗します。 ジムにいるバイトの兄ちゃんじゃダメです。
ベンチプレスを10レップ行い、限界まで来たとしても11レップ目で半分くらいまでは挙がるものです。ひとりでやっていると、ここで動きが停止してしまいますが、パートナーに指一本で下からバーを押してもらうと、挙がっていきます。
ベンチプレス、バックプレスなどの、プレス系に向いたトレーニングテクニックですが、 サイドレイズ、チンニングなどでも行なえます。

パーシャルレップトレーニング

難易度:★★★
効果 :★★★★

限界までレップを繰り返したら、次レップは行なわないのが普通ですが、「途中までだけど、やってしまえ」というのがパーシャルレップトレーニングというトレーニングテクニックです。 例えばサイドレイズで10レップやって限界を迎えたら、半分しかあがらなくても11レップ目をやるというのがパーシャルレップトレーニングです。 途中で停止しても危険でない種目のみが対象となりますので、ベンチプレスなどでは行なえません。
ベントオーバーロウのようなローイング系で、フォースドレップ、チーティング、 レストポーズなどのテクニックが難しい種目に最適なトレーニングテクニックです。

サイドレイズのムービー

レストポーズ法

難易度:★★★
効果 :★★★★

何のことはない。疲れたら休んで、またやる、というトレーニングテクニックです。 ただし休むとはいえ、非常に短時間であり、ウェイトは持ったままです。
スクワットでいうと10レップこなし限界に達した後、バーベルを担いだまま20秒休憩し、さらに2レップ行なう、というものです。
肉体的にはもちろん、精神的消耗の激しいトレーニングテクニックです。
スクワット、デッドリフト、バーベルカール、チンニングなど、ウェイトを持ったまま、ボトムポジションで停止できる種目に限られるトレーニングテクニックです。

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栄養について

高強度のトレーニングテクニックを使えば、かならず効果が現れます。 だたし、それは栄養面での充実がなければ達成できません。 栄養面でのバックアップがないまま、高強度トレーニングテクニックを行なえば、オーバートレーニングに陥るのは明白です。
食事でしっかりと栄養を取り、間食にはプロテインを採る。睡眠時間も多めに取ります。
トレーニングの前にはBCAA、トレーニング後にグルタミン、寝る前にクレアチンといった、細かい管理は必要です。

グルタミン 強力アミノ酸

空腹時に水と共に飲んで、アナボリックホルモンを分泌させるアミノ酸です。
サプリメントとしては安全で、効果が高い部類に属します。
体内で合成される「不必須アミノ酸」ですので、以前はあまり注目されませんでした。
摂取タイミングは、トレーニング後などにお勧め。 一度に2グラム取れば充分なサプリメントなのでタブレットなら4粒でいいです。 もちろん4~5グラム摂取すれば効果はもっと高い。 ただし、私の読んだ本では、それ以上の摂取では効果が頭打ちでした。
グルタミンは減量時にも使用量が増えるアミノ酸なので、夏に向けてシェイプアップ中の人は、特にこまめに摂取すべきサプリメントです。
タブレットタイプは一粒あたりビタミンCが100mg入っているのも嬉しい。 普通のビタミンCサプリメント並です。グルタミンは免疫力を上げる効果があるので、同じ効果が期待できるビタミンCと共に体調管理に最適。 タブレットは円形で、ポリポリ食べられてレモンフレーバーのお菓子みたい。 水がなくても食べられるのは嬉しい。
パウダータイプの方が単価が安いので、家で飲む場合にはこちらがお勧め。

グルタミンタブレット240g
グルタミンパウダー300g
グルタミンパウダー600g

クレアチン

クレアチン・モノハイドレイト。 これもコアなトレーニーにはメジャーなサプリメントです。ボディビルダーはもちろん、オリンピックレベルのアスリートも皆、使っているサプリメントです。
クレアチンを摂取すると最大筋力が5~10%アップするという報告もあります。つまり、日々のトレーニングで、さらに一歩高い強度で鍛えられるというわけです。
クレアチンは牛肉に入っている自然物質なので安心。 ただし、1キロ中に5グラム程度です。昔から精力をつけるために牛肉を食べていたことには根拠があったのですね。
そんな良いことだらけのクレアチンですが、コーヒーとの相性が悪いという報告もあります。つまりコーヒーを飲むとクレアチンの効力がなくなる(または減る?)らしいのです。 正確なところは判明していませんが、クレアチンを摂取するならコーヒーは控えた方が無難でしょう。
減量期に飲む必要はないので、バルクアップの時期だけ飲めば良いサプリメントです。
パウダーは美味しくないです。タブレットは持ち運べるので便利です。

クレアチンパウダー300g
クレアチンタブレット240g


BCAA

BCAAとは、分岐鎖アミノ酸(Branched Chain Amino Acids)の事で「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の三種が入った贅沢なアミノ酸です。
昔はコアな人しか使っていなかったサプリメントなのですが、今では女性が美容にも使うほど普及しています。
昔は、値段が高くて手が出なかったのですが、今では安いサプリメントが色々と出回っていて嬉しい。 安心な国産サプリメントも多くなりました。
アミノ酸は筋肉のエネルギー源として使われるので、トレーニング前に飲むことをお勧めします。
また、トレーニング後、すぐに食事をするのでなければ、このタイミングでも飲むことをお勧めします。 枯渇したエネルギーの回復に使われるからです。
有酸素運動の前に飲むのもお勧めなサプリメントです。

BCAAタブレット240g



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