筋トレと部分やせ

部分やせ、とは


腹や太腿にラップを巻いて、部分やせをしようとしている人がいますが、 本当に効くのでしょうか? 専用の巻パッドなんかもありますね。 本当に、部分やせは可能なのでしょうか?
腹にラップをしている人々は、どういった原理で、 特定部位が細くなると思っているのでしょうか? 恐らく、汗をかくと痩せるという、間違った認識ではないでしょうか? ダイエットのために、サウナスーツを着て走るようなものです。 温暖化の影響なのか、最近見ませんが。
しかし、汗で体重が減っても、また水分を採ったら、 一瞬で戻ってしまうので、全くの無意味であることは、 周知の事実ではないでしょうか?
または、ラップを巻いている部分は、運動によって他の部位よりも体温が上がるので、 脂肪が燃焼されるのではないか、という考え方もあります。 実際は、人体の体温は、どこも同じなので、関係ありませんが。
しかし、そもそも脂肪が燃えるのは、皮下脂肪が血液中に入ってからですので、 体温は関係ありませんね。 もちろん、病気で高熱が続けば、脂肪は燃えるでしょうけど。



やせるプロセス


そもそも、どうやったら痩せるのでしょうか? 摂取カロリーを消費カロリーが上回れば、痩せます。 当然です。 なぜ太るかといえば、必要以上のカロリーを摂取するからです。 消費を上回る収入は、貯金されますものね。
では、痩せる手段はいくつあるかというと、大きく分けて2つあります。 ひとつは、純粋に食べる量を減らすこと。 つまり、摂取カロリーの減少です。
もうひとつは、運動により、消費カロリーを増大させること。 このふたつはどちらか一方ではなく、バランスよく組み合わせるのが王道です。
炭水化物はほとんど摂取しなくても健康には害はないのですが、 たんぱく質は最低でも摂取しなければならない量があります。 徐脂肪体重KG×1.2gです。 つまり体脂肪率20%の60kgの人は、徐脂肪体重48kgですので、 一日に、最低でも57.6gのたんぱく質が必要です。 一度に吸収できるたんぱく質は、せいぜい30gですので(諸説あり)、 最低でも2回以上に分ける必要があります。 そうでないと、筋肉を分解して栄養を補いますので、筋肉が激減してしまいます。
宗教的な修行でもない限り、絶食ではダメという事です。 絶食でも体重が減るには減るが、筋肉も減ってしまう。 これでは健康とは程遠い。ダイエットではなく飢餓です。 そして筋肉を増やすのは、脂肪を減らすよりもはるかに大変であることを肝に銘じましょう。



脂肪細胞の変化


人間が痩せる際、ほぼ全身均一に脂肪が減っていきます。 なので、結論から言うと、部分痩せ自体がありえない。 部分痩せしているように錯覚を覚えることはあり得ますが、それを狙ったダイエットは難しい。
ただ、かなり痩せたんだけど、腕だけ太いまま、といったことも起こります。 本人の感覚ですので間違っている場合が殆どで、腕も少しは細くなっているはず。
脂肪の細胞は、太るときは細胞分裂で増えます。 もちろん、細胞自体も膨らみ、大きくなりますが、肉割れというのがありますね。 肉割れとは、腹や尻などの皮膚の上に白い線が走っています。 腹のアレは、脂肪細胞の膨張では支えきれないほど、内臓が大きくなって、皮膚が耐えられなくなり、 細胞分裂によって急遽、新しい細胞で対応した結果と思われます。 だから、肉割れは新しい細胞なので、白いんですね。
なので逆に、痩せる際には、残念ながら細胞は減りません。 細胞が減る(死ぬ)のはアポトーシスですが、ダイエットでは起こりません。 あるとしたら、すさまじい飢餓の時でしょうか?
あくまでも脂肪細胞は、ダイエットで小さくなるだけです。 脂肪の細胞自体が小さくなるけど、細胞の数は変わらないので、触った感じでは、柔らかく感じます。 粒の小さな柔らかクッションのような感覚です。 細胞が小さくなるので、粒が小さいので、やわらかいクッションと同じなのです。 太っているときは、ひとつひとつの脂肪がデカいので、肉がつかみにくいのですね。 固い、という表現でもいいです。
これには水分も関係しています。 例えば、私は土日によく水分を採るので、浮腫み気味です。トイレの回数も多い。 全身の脂肪細胞も水分で膨張しているので、腹をつまむと、皮下脂肪がぶ厚いのです。 もちろん、脂肪細胞以外も浮腫んでいるので、体重も多い。
ですが、月曜日の午前中にかなり脱水し、むくみが収まると、 火曜日あたりには皮下脂肪の厚みが激減し、つまむと厚さが半分程度になります。 パリッとした腹筋が見えます(笑)。



インシュリン


炭水化物、糖類などを食べると、血液中に吸収され、血糖値が上がります。 血糖値とは、血液中の糖質の割合のことなのですが、大事なエネルギー源です。 血糖値が下がると、脳にエネルギーがいかず、貧血のような状態になってしまいます。
コーラは砂糖が大量に入っている飲み物なので、血糖値の低い状態で飲むと一気に回復します。 いつもコーラやサイダーなどを飲んでいると太りますが、これはインシュリンが大量に出て、 糖質を脂肪に変えているからなのです。 そしてインシュリンをいつも分泌しているので、膵臓がダメージを負い、インスリンが出なくなります。 これが糖尿病です。
糖類では、ブドウ糖の吸収力が一番早い(グリセミック指数高い)ので、 自作スポーツ飲料に入れるといいです。もちろん減量しない場合だけですよ。 逆に、ごはんやスパゲティは吸収がゆっくり(グリセミック指数低い)なので、 長時間のエネルギー供給に期待できる。使い分けをするといいでしょう。 ダイエットではなく、パフォーマンスだけ考えれば、グリセミック指数の低い食事をし、90分後に運動する。 運動中の飲み物にグリセミック指数の高いブドウ糖やBCAAを入れれば完璧です。 エネルギーが高い状態をキープできますので、パフォーマンスが高くなります。
さあ、血糖値を上げる方法は分りました。炭水化物、糖類、それに穀類を採ればいいのです。 しかし、血糖値を下げる方法はあるのでしょうか?
健康な人間は、膵臓からインスリンが分泌されます。 インスリンにより、血糖値は通常の値に戻るのですね。 じゃあ、インスリンは何をしているのか? インスリンは血液中の糖分を脂肪に変えます。 そして、体内に皮下脂肪として蓄積させます。 これが、甘いものを食べると太る理由です。
人間の体は、体内に糖質を溜め込む能力がほとんどなく、 糖質は筋肉に少しあったり、肝臓に水と共にグリコーゲンとして蓄えられます。 しかし、微々たる量なので、ちょっと走ると、すぐに体内の糖質は使い切ります。 夜寝て、朝起きたら、グリコーゲンは空だと思ってください。 これが空腹時血糖値の正体です。健康診断でよく聞きますね? 糖質エネルギー切れのはずの朝に、高い血糖値だったら、 インスリンが出てないので糖尿病なわけです。
糖尿病患者は、外部からインスリンを入れて、血糖値を下げているわけですね。 脂肪は無限に蓄えられるのに(つまり肥満)、糖質はちょっとしか蓄えられないのです。
ダイエット目的ならば、起床時、食事前に走れば、脂肪燃焼されます。 グリコーゲンがないので、脂肪がエネルギーにされますから。 でも、あまりやり過ぎると、筋肉も分解されます。



やせていく過程


太る過程と、痩せる過程は全く一緒です。 もちろん、逆という意味ですが。
水分は全身に分散して滞留します。 腎臓の機能以上に水分を摂取すれば、人体は確実に保水します。 体重が増えるし、脚も顔も浮腫みます。 利尿作用のある食べ物を食べるなどしない限り、 私の感覚では、脱水に半日以上かかります。 塩分を多く含んだ食事をすると、さらに多くの時間が必要です。
そして数日間、炭水化物の摂取を控えると(つまり糖質ダイエットです)、 体内のグリコーゲンが使われ、水分が排出されます。 筋肉内や内臓などにある糖質も使われ、同時に水分が排出されます。 つまり、体中の水分、つまり浮腫みがなくなるわけです。 減量を始めると、数日で体重が一気に減るのは、大概がこれです。 脂肪が燃えたわけではありませんので、勘違いしないでください。
水分が抜けたら、ここからが本当のダイエットスタートです。 糖質を抜いた状態で、さらに減量を続けると、ケトン体が増え、ケトジェニック状態になります。
もちろん、糖質を摂取しない状態を続ける必要があります。
これがケトジェニックダイエットです。
そうなると、脂肪をエネルギーにするので、内臓脂肪がごっそり減っていきます。 いっしょに内臓の水分も排出されます。 肝臓も小さくなるので結果的に、まずはウェストまわりが一気にすっきりしてきます。 皮下脂肪が減ったわけではありません。 内臓脂肪がなくなって余計な水分もない状態で、さらにダイエットを続けると、やっと皮下脂肪が減りだします。
次に、腰や太腿のあたりの脂肪が減ります。 これは部分痩せではなく、腰回りの脂肪が目立って減っているように感じるだけです。 ズボンが緩くなるのが、分かります。 その後に、胸や背中などが痩せ、顔も小さくなります。 さらに上腕やふくらはぎと続きます。
太る際は、まず腹が膨れますが、最初から内臓脂肪が多い人は、その次からスタートです。 腰や太腿が太くなり、胸や背中がぶよぶよし、顔が大きくなります。 さらに腕や脚に進みます。 その間も、腹の皮下に脂肪が蓄積され続け、顔の形が変わるほど膨れ上がります。



脂肪を減らしながら筋肉を増やす


脂肪を減らしながら筋肉を増やす、これは理想です。あくまで理想です。 極一部の例外で起こりうる現象ですが、あっても例外なく短期間です。 私もなんどとなく夢見たし、挑戦しましたが、全くの徒労でした。
消費カロリー > 摂取カロリーの状態とは、エネルギーが足りていませんので、 筋肉が増える可能性はありません。 たんぱく質を多く採り、トレーニングをしても、 それは筋肉が増えるのではなく、減らさないためなの努力でしかないのです。
消費カロリー > 摂取カロリーだと、脂肪も筋肉も確実に減っていきます。 しかし、トレーニングをしていると、人体は筋肉が必要だと判断して、筋肉は落ちないのです。 飢餓だからといって、使っている筋肉もエネルギーにしてしまうと、動けなくなりますから。
長期間、海を漂流した人の話です。 ガリガリにやせ衰えましたが、魚を捕る腕の筋肉だけは落ちなかったそうです。 しかし、歩かないので脚は歩けないほど筋肉がなくなります。 その間も筋肉を分解し、エネルギーにしていたので、頭脳ははっきりしていました。
消費カロリー < 摂取カロリーでないと、筋肉は増えません。 ボディビルダーはオフの期間に脂肪と共に筋肉を増やし、コンテスト前に脂肪だけ落とすわけです。 その際に、アナボリックステロイドなどの異常な要因により、 急激に筋肉が増え、脂肪が落ちることがあります。

トレーニング効果を高める薬 を使うという手もあります。

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