筋トレで筋肉を鍛えろ

筋肉

人間の身体は数々の関節と、それらを稼働させる筋肉に覆われています。 肘の関節を例にとると、腕を曲げると上腕に筋肉のコブができます。いわば力瘤です。 これは上腕二頭筋という筋肉で、ふたつの筋肉から構成されます。 腕を伸ばした状態から、曲げるときに使う筋肉です。 ダンベルを持ってカールすると筋肉痛になるのはこの部分です。
逆に腕を曲げた状態から伸ばした状態にするために使う筋肉は「にのうで」と呼ばれている部分にある、 上腕三頭筋という筋肉です。みっつの筋肉から構成されます。 すぐに筋肉痛になる上腕二頭筋と違い、上腕三頭筋は日常生活であまり筋肉痛になることがないので、 忘れがちです。(だからこそプニプニしている……) 一度でもボディビルダーを見たことがある人は分かると思いますが、上腕三頭筋という筋肉は、 馬の蹄鉄の形をしています(アルファベットのCにも近いか?)。 殆どの人の場合、その輪郭すら確認できないことでしょう……。
このように筋肉は、別方向に曲がるように構成されています。 ただ曲げるだけでなく、回転させる機能もあります。 この場合は肘の曲げ伸ばしですね。
この、逆の動作をする筋肉同士を拮抗筋と呼びます。 この例でいうと、上腕二頭筋と上腕三頭筋が拮抗筋となります。



筋肥大

なぜ、筋肉は大きくなるのでしょうか?
どうして、ボディビルダーたちはあれほど立派な筋肉を持っているのでしょうか?

筋トレしているから?
そうです筋トレしているからです。ボディビルダーは筋トレして、あの身体を手にしているのです。 その方法はともかく、大きな筋肉を持っている人間はボディビルダーに限らず皆、 なにがしかの筋トレをしています。 筋肉を使う仕事の人もいますが。
筋トレすれば筋肉は太く、大きくなる。 筋トレすれば筋肉は強くなる。 筋トレすればマッチョになれる。 こんなことは学生でも知っています。
では何故、筋肉は筋トレすると大きくなるのでしょうか?
筋トレといっても、何をどれだけやればいいの?
残念ながら、これに答えられる人は多くはありません。少なくても小学生ではムリです。



オーバーロードの原則

筋肉が大きくなること、つまり筋肥大について、例をあげて説明します。

サンドペーパー(紙やすり)で掌を擦ります。
すると、皮が剥けますね。皮膚が破壊されるから当然です。
しかし、そのまま2~3日すると、サンドペーパーで磨り減った皮膚はすっかり回復します。
なんとなく、前よりも皮膚が厚くなった気がします?
そこでまたサンドペーパーで掌を磨ります。 再び皮膚が磨り減り、2~3日で回復します。
これを何度か繰り返していると、徐々に掌の皮膚がぶ厚くなっていきます。
「擦られてばかりいるから厚くしておこう」という自衛手段が働くからです。
そう、これがまさに筋肥大の原理なのです。

筋トレはサンドペーパー。皮膚は筋肉。と置き換えると分かるかと思います。
このように徐々に負荷をかけていき、より以上の強度(皮膚は厚さ、筋肉は太さ)を得ることを オーバーロードの原則といいます。



オーバートレーニング

筋肥大がなぜ起こるのか、これでお分かりいただけたと思います。
重いものを持ち、筋肉が破壊され、筋肉痛が全身を襲います。
「このままでは毎回筋肉痛になるのでキビシい~」と筋肉たちが悲鳴を上げ、 次回はもっと楽になるように、と、筋力をアップさせます。
筋力がアップし、それにともない、筋肉が太く大きくなり、筋肥大が起こります。
ここまではいいですね?

もう少し突っ込んだ話をします。
サンドペーパーで掌を擦るのをやめれば、次第に皮膚が薄くなり元に戻りますが、筋肉も同じです。
筋トレをしなければ筋肉は小さくなり、次第に普通の身体になります。 そして、大概は肥満になります(笑)。
運動不足になれば、筋肉がガックリと落ちるので、皆さんも簡単に理解できることと思います。
それともうひとつ、サンドペーパーで皮膚を擦りすぎると皮が向け、血が噴出します。
そこまで行くと、オーバーロードの原則どころが逆効果です。
筋トレにも同じことがいえます。
トレーニングのやりすぎ、つまりオーバートレーニングです。
回復を上回る破壊が続けば、筋肉であろうと皮膚であろうと、肉体は崩壊します。
充分な回復があってこその筋トレであり、筋肥大であることを肝に銘じてください。



マッスルメモリー

筋肉を鍛え、見事な身体を手に入れたとしても、2~3週間も入院すれば筋肉が減ってしまいます。 ただ、その場合でも、退院後に筋トレさえすれば、強度にもよりますが、数週間でもとにもどります。
では筋トレしない期間が年単位だとどうでしょう? つまり20代は筋トレして30歳時点ではマッチョだったのだけど、30代は運動不足で太ってしまい、そのまま40代に突入。 という、よくある話です。 テストステロンの分泌が激減してしまうこともあり、40代で筋トレしてもなかなかマッチョにはなりません。 それまで筋トレをしてこなかった人などは、細マッチョが限界でしょう。
しかし、かつて大きな筋肉を獲得した人は別です。 やや時間はかかりますが、かなりの筋肉量を復活させられます。 なぜかというと、筋肉が大きかったころの記憶を、筋肉自身が持っているからです。 これがマッスルメモリーです。 若い頃に許容量を上げておいたからこそできるのです。 RPGで例えるならば、HP最大値を上げておいたので、そこまで回復可能ということです。 そもそもHP最大値が低かったら、頑張っても低いまま。 つまり、若いうちにレベルアップしとくべきです。
かつて筋量で他を圧倒していたケビン・レブローニというボディビルダーが引退して、ごく普通の身体になったのですが、 50歳を超えて筋トレを再開し、たった半年で現役時代並みの身体に復活しました。 オリンピアの特別枠に招待されたので、ひさびさに発奮したのでしょう。 彼は、40kg越の筋肉量を半年間で得ています。 アナボリックステロイドや強力なサプリメント、食事管理、トレーニング指導、経験など、 通常では考えられないレベルでのサポートがあってのことですが、マッスルメモリーなしには考えられません。
もうひとつ。ケイシー・ビエターのコロラド実験でも、彼は1ヶ月で28kgの筋肉を付けていました。 ケイシーは怪我をして数ヵ月間筋トレを休み、すっかり筋肉が減った時点でこの実験に参加しています。 もちろん、サポートは万全でしたが、1ヶ月足らずでこの筋肉増加は異常です。 これもマッスルメモリーのなせる技でしょう。 ちなみにこのときの筋トレはヘビーデューティーで、30分を週3回だけです。



筋トレと生活習慣の変更

20代に筋トレして30歳マッチョになった。。。と、まではいかなくても、 20代は運動をしていたし、太らなかった。という人は多いでしょう。
そして30代になり、毎年1kgずつ体重が増えていき、40歳を迎えるころには、 見事におっさん体系となり、もちろん運動など皆無。 と、いう人は多いでしょう。 もちろん女性も、壊滅的な体系になり果ててしまう人がなんと多い事か。。。 今は若くても、いずれそうなるだろうな、という男女が大半なのです。 他人事ではありませんよ。
早ければ早いほどいいのはあたりまえですが、まあ40歳くらいで、 生活を少しずつ替えていかないと間違いなく悲惨な見たことになります。 既に悲惨なことになってしまっているという人は、早く脱出しましょう。
具体的には、まず運動です。なにがしかの運動をすべきです。 週3~5回出来ることを考えると、筋トレかランニングが現実的。 週末だけの運動では、これ以上太らない程度の維持がやっとです。 太るのが遅くなる程度かもしれない。理想体型を構築することなど、まず不可能。 平日に3~5回運動し、週末にスポーツや競技をするのがベストです。
筋トレにより筋肉が減ることを防ぎます。 筋肉を増やすのは難しいのですが、40代でも筋トレすれば少しは増えます。 老化とは筋肉が減り脂肪が増えることですので、筋トレは必須です。 筋肉を減らさない上で筋トレは不可欠なのです。
24時間のジムもあることだし、ジムに行くことはいいことなのですが、 ただでさえ行くのが面倒くさい上に、お金もかかります。 そもそもジムが続けられてるのならば、20代のころからずっと運動しているでしょ? 同じ方法でトレーニングしているか、エアロビクスしているかは分かりませんが、運動不足ではないハズ。 まあ、コロナウィルスなどの影響で、ジムで筋トレできないなんてこともあります。
私は40代でジムに行くのを止め、公園で懸垂とディップ、プッシュアップ等を中心とした自重トレーニングを始めました。 ジムでの筋トレは大好きなのですが、メリットとデメリットを考えれば、 40代からは、家の近所で出来る公園トレーニングが最適です。 もちろん、クロスフィットやキックボクシング、筋トレのジムに無理なく行けるのなら、 それに越したことはありませんが、現実的ではないでしょう。
それと運動といえばランニングやジョギングです。太り過ぎの人はウォーキングからでもいいです。 走った距離で消費カロリーが決まるので、走るスピードは関係ないといわれています。 筋トレとの連携がベストですが、いきなり両方はきついかもしれません。
もうひとつの生活の変化は、食生活です。 お菓子を食うのを止める事、お酒の種類や量を考える事、主食を減らすことがメインです。 お菓子は説明自体がいりませんね、食べてはいけません。ダメです。
お酒に関しては、ワインや梅酒、ビールはやめ、ウィスキーやウォッカなどの蒸留酒にする。 量もほどほどに。飲まないに越したことはありません。 糖質ゼロとうたってあるチューハイをよく見かけますが、カロリーがちょっと少ないだけです。 もちろん、清涼飲料水やジュースもだめですよ。飲むならカロリーゼロにしましょう。
主食とは炭水化物の事です。 これが体に悪い。詳しい話はとばしますが、ご飯、麺類、パンなどを食べないのが簡単で確実。 まったく食べないわけではなく、玄米や全粒粉などをちょっとは食べます。
揚げ物も禁止です。これでカロリーはかなり制限できます。 万年ケトジェニック状態にできますし、慣れてくると、ご飯を食べたくなくなります。 これは本当です。自分でも不思議ですが、ご飯やラーメンがおいしそうに見えなくなる。 この効果で、小麦粉系お菓子も食べなくなりますよ。
まあ、やめるっていっても、最初の数週間が精神崩壊レベルでキツイのです。 あまりにも糖質が欠如しすぎて錯乱し、口いっぱいに飴を入れてバリバリ食ったこともあります。 よく黒糖を食べたりもしました。 それでも、2ヶ月でだいぶ楽になり、じょじょに欲望が薄れていき、1年もするとこれが当たり前になる。
サルコペディアである筋肉減少を抑え、さらに脂肪を落とせば、健康的に年齢を重ねていけます。 美味しいラーメン、牛丼、から揚げ、ビールを我慢してまで生きていても面白くない! という、諸兄の悲鳴が聞こえてきそうですが、たまにはいいんですよ。 一度すっきり痩せてしまえば、週1回くらい何を食べても大丈夫。太りません。 まだ太ってるのに、食べまくっちゃだめですよ。いつまでたっても痩せません。
毎日抑制して生きているから、たまに食べる、から揚げがおいしいのです。 まあ実際は、ほとんどの食べ物がおいしく感じなくなります。※私の場合だけ? そのかわり、全粒粉のパンや煮干し、アーモンドなど、制限食がそこそこ美味しく感じる。
結局、ほとんどの人の身体は、偏った食事による栄養不足をうったえ、食欲だけは旺盛ですが、 健康に悪い食べ物をいくら食べても、カロリーばかりで満たされないのです。 食っては栄養が不足し、食っては空腹になり、余計なものばかり食べて、太り続けるのです。
充分な栄養を体に与えてやれば、空腹は満足するので無駄な食欲は出ません。





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