初心者のウエイトトレーニング

筋肉とウエイトトレーニング

人間の身体は大小さまざまな筋肉より出来ています。
大きな筋肉  :脚、背中、胸
中ぐらいの筋肉:肩、ハムストリング、カーフ(ふくらはぎ)、腹
小さな筋肉  :腕、前腕
これをウエイトトレーニングで鍛えるわけです。
目的はボディビルであったりフィットネス、スポーツ、ダイエットかもしれません。 ちなみに私は、肩とカーフは、かなり大きい方の筋肉だと思います。

ウエイトトレーニングの目的

ウエイトトレーニング初心者は、全体的な筋力アップとエクササイズのフォーム習得が第一目的となります。 ボディビルを始める場合でも、スポーツの補助としてのウエイトトレーニングでも、目的は変わりありません。 男性、女性どちらでも、最終的な目標が違っても、最初の目的は同じはずです。
ウエイトトレーニングで大きな筋肉を重点的に鍛えれば、効率よく筋力がアップしていきます。 何故ならば、その他の小さな筋肉は、ウエイトトレーニングで大きな筋肉を鍛える際に、 一緒に稼働するからです。
例えば、胸の代表的なトレーニングであるベンチプレスを見てみると、 胸全体を鍛えるエクササイズとして非常に効果的ですが、 三角筋前、中部(肩)、上腕三頭筋(腕)も一緒に稼働します。
同じくベントオーバーローイングや懸垂は、背中のエクササイズですが、三角筋後部、上腕二頭筋、前腕も稼働します。 スクワットは脚を鍛えますが、ハムストリング、カーフも稼働します。
つまり、これら大きな筋肉を鍛えるエクササイズ(ウエイトトレーニング)は、多くの筋肉を稼働させる複合種目であり、 それゆえに高重量の使用が可能になるのです。



ウエイトトレーニングの複合種目

ウエイトトレーニング初心者は、何かと多くの種目をこなしたがりますが、 逆に出来るだけ少なく、また効果的な種目に絞って、 短時間でワークアウトを行えるようにプログラムを組むことが大切です。
そうすれば、ウエイトトレーニング初心者は混乱することなくエクササイズを習得でき、 十分に回復できるレベルでウエイトトレーニングを行う事が出来ます。
効果が出るまでに個人差はあるものの、ウエイトトレーニングを続けていれば次第にレベルがあがりますので、 少しずつエクササイズを追加していけばいいでしょう。
たしかに、ウエイトトレーニング上級者(ボディビルダーなど)が、変わった種目を熱心にこなしている姿は、 自分の闘争心を燃えたたせます。
しかし、これらの複合種目(ベンチプレス、スクワット等)ほどの効果を持っているエクササイズは、他にはありません。
ウエイトトトレーニング初心者には、一度に全身を鍛えるプログラムが効果的です。 これは、年齢、性別、目的に関わらず、全ての人間に当てはまるウエイトトトレーニングの方法です。
通常、以下のウエイトトレーニングを週3回、6~8週間続ければ、基礎的な筋力とフォーム、 ウエイトトレーニングの取り組みかたが習得できるはずです。
もちろんウエイトトレーニングでも、いい加減にやっていれば、それなりの結果しか出ないのは他と同じです。 基本種目習得後のウエイトトレーニングは、それぞれの目的によって多少変わってきます。 最低でも週1回程度できれば数ヶ月かかっても必ず習得できますし、レベルアップが可能です。
しかし、過ぎたるは及ばざるが如しの例え通り、週4回以上やっても逆効果となります(個人差あり)。 ウエイトトレーニングは連続日で行ってはならず、また、 筋肉痛や疲労が抜けきる前に行ってもならない。 1日に2日分トレーニングしちゃおうなど、もってのほかです。
具体的には、月、水、金にウエイトトレーニングを行うといった方法がベストです。 土日はおおらかな気持ちでトレーニングを休みます……まあ、無理ですが。



ウエイトトレーニングの種目

フリーウエイトが使える場合のウエイトトレーニング
腹:シットアップ やりかた→ 腹筋をしよう!
胸:ベンチプレス
脚:スクワット
背中:デッドリフト



ウエイトトレーニングの代替え種目

上記の種目が行えない場合は以下の種目で置き換えられます。
胸:マシンベンチ 別名:チェストプレス
背中:チンニング、ラットプルダウン
脚:レッグプレス、ハックスクワット


の4種目でウエイトトレーニングは十分です。
しっかりとストレッチを行ってから、シットアップで身体を暖めましょう。
2セットやって息を整えたら、メインのエクササイズにうつります。



ウエイトトレーニングのこころがまえ

ベンチプレス、デッドリフト、スクワットの三種目は、パワーリフティングの種目であり、 非常に高重量が扱える効果的なウエイトトレーニング種目です。 それだけにウエイトトレーニングにおける基本種目となっています。
必ず、それぞれのメインセットの前に1~2セットのウォーミングアップセットを行います。
最初は、それぞれのメインは1セットでかまいません。
4週間後に3セットこなせるようにしましょう。
これらの種目は、順番が重要ですが、必ずしもこのままである必要はありません。
ジムが公共の場である限り、他の人が使用していて使えない種目もあります。その点、自宅だと便利です。
そんなときはトレーニングの順序を変えてもかまいません。
まず、胸は独立している部位なので、いつやってもかまいません。
しかし、スクワットよりも先にデッドリフトをやってはいけません。
なぜならば、デッドリフトは腰に大ダメージを与える種目であり、スクワットは、腰の筋肉が充分でないと行えない種目だからです。
それさえ守れば、トレーニングの順序を好きに変更して構いません。
例1:ベンチプレス、スクワット、デッドプレス
例2:スクワット、ベンチプレス、デッドプレス



ウエイトトレーニングのやりかた


ベンチプレス

ボディビルダーといえば胸ですね。ボディビルダーは胸をピクピク動かせます。
ベンチに寝転がり、バーを握ります。
バーの握る場所は肩幅よりそれぞれ握り拳ひとつ分外側です。
降ろす位置は乳首のやや上あたりで、その際は身体に触れる必要はありません。
肘は横に開き、脇は締めない。
ウエイトを降ろすときに胸が外側に引っ張られるような感覚を得るようにします。
ウエイトを挙げるときに息を吐き、降ろすときに吸います。
ウエイトを挙げるのに1秒、下げるのに2秒ぐらいを目標に行います。
初めて行うときは、自重の4/1程度のウエイトで2セットのウォーミングアップを行います。
その後、体重の半分までウエイトを上げて、メインを行います。
そのウエイトで、11回以上出来るようなら、5Kgのウエイトを加算して行います。
2セット目以降は、筋力が落ちてきているので、無理をせずに4セット以上やらないこと。
ベストな使用ウエイトを見つけるのは、次回に回します。
また、ウエイトを5Kgアップすると、5回以下しか挙上出来ないようなら、2.5Kgアップにしてみます。
バーの握る位置や握り方など、自分に合ったものを見つけましょう。



スクワット

必ず、スクワットラックのあるところで行います。
運よく、スミスマシン(↓写真参照)がある場合は、それを使うと便利です。
ラックもスミスマシンもない場合は、ハックスクワットを行います。
どちらにしろ、 ⇒ ウェイトリフティングベルト は必要です。
バーベルを担いでしゃがむだけなのですが、腿は床と平行になるところまでしか下げないこと。
腰は、弓なりに反るようにして、決して猫背にならないこと。
しゃがむとき、目をやや上に向けるとうまくいきます。
ウエイトは、最初はベンチプレスと一緒の重量でかまいません。
5kgずつ増やしていきましょう。


スクワット
スクワット

レッグプレス
レッグプレススタート レッグプレスフィニッシュ



デッドリフト

床にあるバーベルをつかみ、腰の位置まで引っ張り上げるだけです。
ウェイトリフティングベルト を忘れずに。
スクワット同様、腰は弓なりにします。
脚は、軽く開く程度で、つま先は前に向かせます。
バーのつかむ位置は、ベンチプレスと同じでいいです。
まずは順手で掴みます。慣れてきたらオルタネイトグリップ(片手は順手、片手は逆手)で行ないます。
その場合は、手の向きを替えて行なうことを前提に、2の倍数セットで行ないます。
開始時の脚は、90度近く曲がっているはずなので、それを、腰と脚の筋肉でスムーズに挙げていきます。


ウェイトトレーニングのバリエーション【次ページへ】

ウエイトトレーニングの実際

筋肉が欲しいなどの理由で、ウエイトトレーニングを選択した場合、通常はジムに通います。 ウエイトトレーニング用の器具が大掛かりで、自宅ではそろえるのが難しいからです。 ※決してできないわけではない。 ただ、いきなりジムに通う人は意外に少なく、まずはプッシュアップや腹筋をしたり、 ダンベルを買って筋トレする人が多いでしょう。
公共のジムや、入会体験でウエイトトレーニングをする人もいます。 自宅用の省サイズのトレーニングマシンもあります。 たいがいはそれらの前段階を踏まえているので、ジム会員となり、 さあ、バリバリにウエイトトレーニングをしよう、という段階では、 それなりの知識と経験があるわけです。
そこで、上にあげたように、ベンチプレス、デッドリフト、スクワットという パワー種目ではなく、自分なりにカスタマイズしたいと思うでしょう。 その場合は、 ウェイトトレーニングのバリエーション をご覧ください。
実際のメニューは、こんな感じで週3回、ジムでの筋トレになると思います。
シットアップ 10レップ、3セット
ベンチプレス 10レップ、3セット
ラットプレス 10レップ、3セット
ケーブルロウ 10レップ、3セット
スクワット  10レップ、3セット
レッグカール 10レップ、3セット
カーフレイズ 10レップ、3セット
デッドリフト 10レップ、3セット

ちょっとウエイトトレーニングをしたことのある方ならば、ニヤリッとしたのではないでしょうか? このメニューならば、バランス的にもバッチリです。 全くの初心者が行うには、少々種目が多く感じますが、慣れてくれば物足りなく感じるレベルです。 そのくせ基本を押さえているので中級者でも、腕の種目を追加するだけで使えるメニューです。
そこで数週間後に、次のステップ(スプリット法)に進むわけです。 スプリットトレーニングは、一日で全身を鍛えるのではなく、2日以上に分けます。 分かりやすく言うと、月、木は上半身、火、金が下半身、といった具合ですね。 最初のスプリットは2分割になるでしょう。 その後、だいたいの人は、3分割くらいに落ち着います。
そして、デッドリフトやスクワットといった種目はキツイので代替え種目に替えてしまう人が多い。 デッドリフトは代わりがないのですがとにかくキツイし、スクワットはレッグプレスの方が断然楽です。 ベンチプレスは好きな人が多いのでそのままやる人が多い。だから混むのです。
初心者を卒業しても、デッドリフトをメニューに組込むことをおすすめします。 高重量になると怪我が心配ですので、疲労も考えて週1回だけデッドリフトをするといいでしょう。 私はデッドリフトをやっていましたが、ジムで他にデッドリフトをやっている人をひとりも見たことがありません。 とてもいい種目だし、パワーリフティング種目なので、残念です。 その一方、何度もデッドリフトで腰を痛めたのも事実です。 デッドリフトは重量を抑えて、正しいフォームで行いましょう。



マシンでウエイトトレーニング

ジムでウエイトトレーニングする場合、 マシントレーニング をすることになるでしょう。 ジムにおいて、マシントレーニングを一切しないという人は稀です。 マシントレーニングもウェイトをピン止めして使うことが多いので、立派なウエイトトレーニングです。 ※一部のマシンは空気圧を使っています。
ダンベルやバーベルなどのフリーウェイトだけが、ウエイトトレーニングではありません。 マシンは軌道が限定されているため、ピンポイントで筋肉を鍛えられますし、 怪我をする可能性も少なくなります。 マシンだけの筋トレはお勧めしませんが、フリーウェイトとの複合メニューは基本中の基本です。
なぜ、マシンだけの筋トレを勧めないのかというと、ベンチプレスやスクワット、デッドリフトのような、 複合種目に匹敵するマシントレーニングが存在しないからです。 もちろん、使用するマシンが多ければ、もっと多角的に筋肉を鍛えられますが、 充分な効果を出すメニューを考えて実行していたら、オーバートレーニングになります。 つまり、筋肉増強にマシントレーニングは必要ですが、複合種目はもっと必要という事です。
細マッチョや、ちょっとマッチョを目指すだけなら、マシントレーニングは非常に安易で怪我もしにくく、 使いやすいウエイトトレーニングとなります。 ディセンディングセットなどの高強度トレーニングにも向いており、利点もあります。
自分の目的に合わせ、使う機器、トレーニング法を選びましょう。



ウエイトトレーニング以外の筋トレ

ウエイトトレーニングだけが筋トレではありません。 レベルや環境、年齢に合わせ、筋トレにも変化が必要です。 以下はすべて管理人が経験したトレーニング法です。 よければ、参考にしてください。

サーキットトレーニングメニュー
公園で筋トレ
アイソメトリックトレーニング
チューブトレーニング
腕立てトレーニング



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