チューブトレーニングの目的
チューブトレーニングは、関節への負担が少なく、
マイルドなトレーニングができるのが特徴です。
筋肉への負荷がほぼ一定で、重力に依存しないので、ゴムチューブを使えば様々なエクササイズが行えます。
よほど強力なチューブでもない限り、チューブトレーニングで筋肉痛になるほどのメニューはありません。
チューブトレーニングは、インナーマッスルのトレーニングにも最適です。
通常のトレーニングを行っている人も、関節が安定するので、
ぜひインナーマッスルトレーニングをメニューに組み込みましょう。
→インナーマッスルトレーニング
チューブトレーニングの特徴
チューブトレーニングは筋肉や関節への負荷が少ないので、筋肉痛にもなりにくく、
筋肉をモリモリにするというよりも、肉体のコンディションを整えるのに適しています。
女性や子供、老人でも安心して使用できるのがチューブトレーニングの特徴であり、利点です。
その分、エネルギッシュな人にとってはチューブトレーニングでは物足りなく感じることでしょう。
実際、チューブトレーニングだけの筋トレでマッチョになった人は、いないと思います。
ひととおり本格的なトレーニングで身体を鍛え、最後に追い討ちでチューブトレーニングを行なうと、
とても効果的と思われます。
チューブでは、筋肉へのテンションが持続するので、通常のウエイトトレーニングとは、また違った刺激が期待できます。
ぜひチューブトレーニングをメニューに組み込んでみましょう。
ここで紹介するチューブトレーニングメニューは、
男性はもちろん、女性や子供、老人でも行なえるメニューですので、安心して行なってください。
ただし、胸や背中、脚など、強力な筋肉を鍛えるには、チューブトレーニングは向きませんので、
腕立て伏せやスクワットを組み合わせましょう。
→腕立てトレーニング
チューブトレーニングでは筋肉をギリギリまで追い込んでも怪我をしない(しにくい)ので、
使い方を間違わなければ効果は無限に広がります。
ただし、チューブが汗で滑って「バチンッ」となったら怪我しますので、気をつけましょう(笑)。
我が家にはビリーズブートキャンプに付属するビリーバンドがあるので
チューブトレーニングに、これを使用しております。
友人や家族にチューブや、ビリーバンドを持っている人がいる場合、それをもらっちゃいましょう。
どうせ、チューブなんか使っていません(笑)。
チューブやビリーバンドをゲットできない場合、安価ですので購入をお勧めします。
⇒
トータルフィットネス(TotalFitness) ハンドル付トレーニングチューブ強 STT160
ショルダープレス
ショルダーつまり肩を、プレス動作で鍛えるチューブトレーニングです。
フォームは、脚を開き、腰を落とします。
チューブの端を足で踏み、チューブが垂直になるように構えます。
これがスタートポジション(ボトムポジション)です。
腕を伸ばしてチューブを真上に上げ、伸びきったところがトップポジションです。
ポイントはチューブを垂直方向に収縮させること。
チューブを斜め方向に動かすと刺激が別の部位に逃げてしまいます。
ショルダープレス
アップライトロウ
別名スタンディングロウともいいます。肩を鍛えるチューブトレーニングです。
肩幅に脚を広げて立ち、それぞれの脚でチューブを踏みます。
左右それぞれのグリップを順手で握り、ヘソの下あたりで構えます。
これがスタートポジションです。そのまま垂直に、顎の位置までチューブを引き上げます。
三角筋前部と僧坊筋に刺激が集中するチューブトレーニングです。
コツは肘が常に手首よりも上の位置にあること。
少しだけ肘を曲げ、関節に掛かる負荷を和らげます。
アップライトロウ
サイドレイズ
これも肩を鍛えるチューブトレーニングです。
脚を肩幅に開き、脚でチューブの端を踏むのは同じですが、右手に持ったチューブを左足で踏み、
左手で持ったチューブを右足で踏みます。
腕を下げたところから、腕が大の字になるように、開きます。
両手を同時にやる場合は、チューブがクロスするように構えます。慣れるまで片手ずつ、慣れたら両手というのがベストです。
チューブトレーニングの特徴として斜め方向に力が加わるので、スタートポジションから利きます。
チューブトレーニングではレップ中ずっと負荷が掛かるので、ダンベルよりも効果が高くなります。
コツは腕をまっすぐに伸ばさないこと。ほんの少しだけ肘を曲げ、関節に掛かる負荷を和らげます。
サイドレイズ
フロントレイズ
肩を鍛えるチューブトレーニングです。
サイドレイズがサイド、つまり側面を鍛えたのに対し、フロントレイズではそのままズバリ、前面を鍛えます。
具体的にいうとサイドレイズは三角筋中部、フロントレイズは三角筋前部を中心に鍛えます。
サイドレイズでは三角筋前部も使うので、フロントレイズよりもサイドレイズの方を先に行ないましょう。
チューブを握り、伸ばした手をグイと上げるだけなのですが、コツは腕をまっすぐに伸ばさないことです。
ほんの少しだけ肘を曲げ、関節に掛かる負荷を和らげます。
フロントレイズ
リアレイズ
三角筋後部を鍛えるチューブトレーニングです。
別名デルトレイズ、ベントオーバーラタラルレイズともいいます。
肩の高さの柱などにチューブを括りつけ、腕を前に伸ばした状態がスタートポジションです。
そこから腕を開き、大の字までもっていきます。
ちょうど、ダンベルフライの逆動作となるチューブトレーニングです。
ダンベルだと背中を地面と平行にした、ベントオーバー姿勢をとらねばならず、難易度が高いのですが、チューブだと簡単にできます。
リアレイズ
アームカール
腕の前面、つまり上腕二頭筋を鍛えるチューブトレーニングです。いわば力瘤の筋肉です。
カールとは「まげる」「巻き上げる」という意味で、このエクササイズの名前として非常にマッチしています。
誰でも一度はダンベルを握り、このカール動作をやったことがあると思います。それをチューブでやるわけです。
非常に簡単なエクササイズである上に、目立つ筋肉なので人気があります。
チューブの先を足で踏み、順手で握った手を真上にカールします。
肘を動かさないように気をつけましょう。
アームカール
トライセッププレスダウン
上腕二頭筋の拮抗筋であり、腕の裏側である、上腕三頭筋を鍛えるチューブトレーニングです。
この部分を鍛えると、馬の蹄のように逆U字型に筋肉が盛り上がります。
チューブを頭より高い位置の柱などに括りつけ、その前に立ちます。
肘を90度に曲げた状態をスタートポジションとします。
ここから腕を伸ばしていき、チューブが伸びきったらエンドです。
肘を動かさないように気をつけましょう。
レッグエクステンション
レッグエクステンションは腿の前面にある大腿四頭筋を鍛えるチューブトレーニングです。
ジムに行けば必ずといっていいほど、あるマシンです。
椅子に座り、膝を軸に脚を上げる動作をする、アレです。
家でやる場合も椅子に座ります。椅子の脚にチューブを挟み、爪先に引っ掛けます。
チューブが腿の真下に来る必要があるので、脚の位置が広い椅子では不向きです。
脚の位置さえ良ければ両足いっぺんに行なえるのですが、それが出来なければ片足ずつ行ないましょう。
コツとしては、膝を動かさないこと。
スタンディングレッグカール
レッグカールとは、脚を曲げること。これを立ったままの姿勢で行います。
ジムには、ライイングレッグカールという機械が、大概はあり、うつ伏せに寝転がって両足でカールできますが、
立ったままでできる機械もあります。
チューブトレーニングの場合、人間は重力には逆らえないので、片足ずつのセットとなります。
柱の足首の位置にチューブを装着し、自分の足首に巻きます。そのままの姿勢で脚を曲げれば良いわけです。
これで腿の裏側、つまりハムストリングを鍛えられるチューブトレーニングです。
コツとしては、上体を安定させるのが難しいので、柱に手を着くのがいいでしょう。
脚の筋肉は強力なので、チューブを2本使っても良いです。
スタンディングレッグカール
クロスオーバー
胸を鍛えるチューブトレーニングですが、少々場所を必要とします。
トライセッププレスダウンと同じように頭の高さにチューブを設定します。ただし、左右で距離を置かねばなりません。
チューブの長さにもよりますが、室内では厳しいでしょう。公園などで木に括り付けないと出来ないかもしれません。
難しい場合は、片方ずつ行ないましょう。
左右から伸びたチューブを握ります。これがスタートポジションですが、ちょうど手を縛られて木に吊るされているような格好です。
ここから手を伸ばしたまま、前に持って行き、胸の前で合わせます。
ダンベルフライに似た動作です。
本格的なジムではこれをケーブルで行ないます(ケーブルクロスオーバー)。チューブを括りつける高さを膝くらいに下げると、大胸筋下部に刺激が集中します。
クロスオーバー
ロウイング
背中、広背筋を鍛えるチューブトレーニングです。
柱のヘソの高さにチューブをふたつとも括りつけます。順手、逆手、どちらでも良いので柱に向かって立ち、腕を伸ばします。伸ばした腕の先で拳が触れるようにします。これがスタートポジションです。
そのまま腕をヘソの高さより、ちょっと上になるように引きます。
胴体と同じ高さになるまで拳を引いたら、腕をスタートポジションまで戻します。これで1レップです。
グリップを回転させると効果的です。つまり、スタートで順手、エンドで逆手、又はその逆になるようにチューブを引きます。
バリエーションとして、踝の高さにチューブを括りつける方法もあります。
ロウイング
ラットプル
背中、広背筋を鍛えるチューブトレーニングです。
ロウイング系は厚みを、ラットプルは広さを得るという説もありますが、常に両方やっているのでよく分かりません。
動作が違うので両方やりましょう。
頭の上に手を伸ばした状態がスタートポジションなのですが、肩幅で、かつ伸ばしきらなくて良いです。また、家の中で立ったままでは厳しいので、膝を床に着いた状態で考えましょう。
順手で肩幅に握ったチューブを引っ張り、そのまま肩幅よりもちょっと広いくらい、肩の高さに持ってきます。これがエンドポジションですが、肩よりも拳ふたつ分程度開くとよいでしょう。狭い方法もあります。
また、逆手でグリップを握り、肩幅よりも狭く引き寄せる方法もあります。
これは背中よりもむしろ、上腕二頭筋に負荷が掛かる方法です。
ラットプル
チューブトレーニングの実際
実際にチューブトレーニングのみで筋トレしている人は皆無でしょう。
チューブトレーニング実践者は、必ずほかの筋トレも実戦中のはずです。
何らかのリハビリや目的のある筋トレでは、その限りではありません。
チューブトレーニングのいいところは、重力を無視できる事です。
重力を無視とは、どういうことかというと、例えばダンベルやバーベルは、重力によって常に下方向に引っ張られますが、
チューブトレーニングの場合は、あくまでチューブの収縮方向に依存します。
例えば、柱にゴムチューブを括り付けて水平方向に引っ張った場合、ゴムチューブは柱の方に引っ張られますが、
決して下方向には向かいません。重力が作用しません。
なので、チューブトレーニングでは、寝ても、座っても、立っていてもトレーニング出来てしまいます。
かつて宇宙飛行士が、宇宙での長期滞在時の筋肉保持に使っていたのがチューブトレーニングでした。
チューブトレーニングは、重力を無視できるからです。
ただ、映像を見る限り、かなり強力なチューブを使用しています。
たしかにチューブのみで全身の筋トレとなれば、かなり強力なゴムチューブが必要でしょう。
ただ、我々がそのような強力なゴムチューブを使って筋トレすることはありませんので、
高負荷・高重量を求めれば、必然的に別の筋トレ(ウエイトなど)になります。
なので、他の方法で鍛えた後、筋トレの追い込みにちょうど良いのがチューブトレーニングになります。
もちろん、筋トレ初心者の場合は、充分にチューブトレーニングのみで効果を得ることができます。
他の筋トレよりも動きがスムーズで、負荷も弱めで扱いやすいからです。
バーベルやダンベルのように反動を使って筋トレすることも少なく、
チューブトレーニングではゆっくりとした動作でレップが出来ます。
フォームが多少崩れていても、チューブなら負荷が逃げることもなく、怪我もしにくい。
ランニングや自転車などの競技者が、上半身の筋トレ補助に選ぶにはチューブトレーニングはちょうどよいでしょう。
ただし、その場合でも、脚のチューブトレーニングをするよりは、自重でのスクワットやジャンプスクワットの方が
よほど効率出来だと思います。