ストリクト
筋トレをする上でストリクトは大事です。
筋肉に意識を集中し、正しいフォームでウエイトを持ち上げる。筋トレで怪我しないためにも絶対に必要なことがストリクトです。
しかし、ストリクトにこだわるあまり、高強度トレーニングの代表格であるチーティングの要素を忘れてはいけません。
ただ、いくらストリクトを意識しても重量が増すとフォームが変わってきてしまいます。
例えば、バーベルカールで考えますと、
私の場合、8~10レップでやっていたのですが、ストリクトでは40キロ付近に限界がありました。
お陰で、バーベルカール40キロが、何年も越えられない壁として存在していました。
腕を伸ばした状態から90度までは挙がるのですが、それ以上はびくともしません。
これがいわゆるスティッキングポイントで、主動筋が変わる位置なので力が出にくいのです。
ベンチプレスでもスクワットでも、スティッキングポイントは存在します。
これを突破するには、フォースドレップが最適であり、スティンキングポイントの部分で、
パートナーにほんの少し手伝ってもらうのがベストです。
チーティングは自分ひとりで反動をつけるやり方で、フォースドレップとは違いますがカール種目には効果的です。
ウエイトが増えてくると、スティッキングポイントの突破こそが課題である事が分かってきます。
正しいチーティングはむやみに反動をつけるのではなく、
カールだったら、スティッキングポイントでほんのちょっと上半身を後ろに傾けて行うものです。
レップ開始時に反動で持ち挙げるのは、間違っているやり方です。ここが勘違いしやすい。
正しいチーティングを行っていても、はためにはストリクトに見えないので筋トレ初心者には良く分からないものです。
トレーニングにおいて自分の肌で、じかに感じ取るしかないのが、こういった感覚なのです。
ストリクトだけに限らず、何事にもやり方が存在することを覚えておきましょう。
私の経験では、対象者が標準的な体格であった場合、ベンチプレスでは90~100キロ付近、
バーベルカールでは35~40キロ付近、サイドレイズは10~12キロ付近、
ダンベルフライは20キロ付近に壁があることを見つけました。
もちろん、個人差があります。
私自身がそうであったのです。
このレベルを超える人間は通常のフィットネスクラブレベルでは滅多にお目にかかれません。
しかし、このレベルを超えている人間は、逆に、もっともっと高重量まで達しています。
つまり、後になってから壁を越えたことが分かるのです。
ダンベルフライを例にとってみると。
この種目は軽重量のときは腕を伸ばして行っていますが、
てこの原理で開ききった場合の負荷と挙げきったときの負荷では雲泥の差が出てしまいます。
全行程をストリクトに行おうとすれば、開いた状態で限界になる重量で行う必要があり、それでは非常に軽い重量となってしまいます。
挙げるたびに負荷が消えるので、筋肉は休まり、限界には程遠い刺激しか加える事が出来ません。
フライの目的と体の構造を考えると、上腕の動きでバタフライ動作を行えば良いのであって、
前腕はダンベルをのせた立棒と考えると分かりやすいです。
つまり、前腕は常に床から垂直の方向に位置したまま、動作を行います。
こうすると、常に一定の負荷が胸に加えられます。
ストリクトというより、プレスかな? と思わせてしまうので、難しいですね。
この辺はドリアン・イエーツの本にも似た事が書いてあるし、ビデオで動きを見れば分かります。